仙台高校教諭殺害　妻を逮捕…背景に夫婦間トラブルか

自宅を出る松本美代容疑者
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　仙台市泉区で今年４月、私立常盤木学園高校（仙台市）教諭松本秀夫さん＝当時（５６）＝が殺害された事件で、宮城県警泉署は１２日、殺人の疑いで、妻の美代容疑者（４４）を逮捕した。この事件では既に男２人が逮捕されているが、同署は夫婦間のトラブルが背景にあった可能性もあるとみて調べている。

　松本さん殺害から３カ月以上が経過し、事件は思わぬ展開を見せた。

　泉署は、８日に殺人容疑で逮捕した会社役員松山哲士（３８）、寿司店経営梅原啓（２７）両容疑者が「美代容疑者もかかわった」との趣旨の供述をしたことなどから、３人で計画したとみて１２日午後から美代容疑者に事情を聴いていた。

　美代容疑者は長男（２３）運転の車で同署へ。午後２時すぎに自宅を出る際、帽子にサングラス姿で助手席に乗り込み、報道陣に囲まれると、顔をクッションで隠すなど落ち着かない様子だった。長男は約３０分後に１人で帰宅した。

　逮捕容疑は、松山、梅原両容疑者と共謀。４月３０日午後６時半ごろから午後１０時ごろまでの間、松本さん宅駐車場で、松本さんの頭や顔を鈍器のようなもので殴り殺害した疑い。調べに対し「この件には一切関係ない」と否認している。同署は夫婦間のトラブルが背景にあった可能性もあるとみて３人の共謀の時期や役割分担、動機の解明などを進める。

　松本さんは今年３月に頭にケガをして入院。退院した４月３０日に、松山容疑者の指示を受けた梅原容疑者に金属バットで襲撃されたとみられる。美代容疑者は当時、仙台市内の知人宅にいた。同署は、３月のケガについても関連を調べる。

　同署や捜査関係者によると、松本さんと松山容疑者は、１０年以上前に同じ塾で講師として勤務。梅原容疑者は生徒として通っていた。その後、両容疑者は松本さん宅を訪れ、松本さん夫婦、長男、長女（２１）、次女（１８）の一家と家族ぐるみの付き合いをしていた。松山容疑者は、家庭教師として次女に英語を教えており、事件後も松本さん宅をたびたび訪れていた。８日に任意同行を求められた際も松本さん宅で美代容疑者と一緒にいた。

　◆松本さん殺害事件

　▼３月１日　松本さんが頭に大ケガを負い入院

　▼４月３０日　退院した後、学校へあいさつ。午後１０時半ごろ、駐車場で頭から血を流して倒れているところを長男が発見

　▼８月８日　松山、梅原両容疑者逮捕

　▼１２日　美代容疑者逮捕