エルサレム(CNN) パレスチナ自治区ガザへ向かっていた支援船団をイスラエル軍が攻撃し9人が死亡した事件をめぐり、同国の調査委員会でバラク国防相が10日に証言し、軍の行動に対する全責任は自分にあると述べた。
2時間にわたる証言でバラク国防相は、ガザへ向かう支援船を阻止するためイスラエルは外交手段を尽くしたと弁明。それでも阻止できなかったため武力行使を検討したが、船団を通過させる可能性も検討したと述べた。結果的にイスラエルの判断は正しかったとしている。
この事件では5月にイスラエル海軍が船団を急襲し、トルコ船籍の支援船に乗っていた活動家9人が死亡した。これについてバラク国防相は「人命が失われたことは遺憾だが、部隊の勇気と技能がなければ犠牲者はさらに増えていただろう」と証言した。
この事件でイスラエルに対する国際的な非難が高まり、同盟国トルコとの関係も悪化した。国連はイスラエルとは別に調査委員会を設置。同委員会はニュージーランドのパーマー首相が議長を務め、イスラエルとトルコの代表も参加している。10日の会合には潘基文(パンギムン)事務総長が出席した。
しかしイスラエル政府は、同国の兵士に対する尋問要求があった場合、調査委員会には協力も参加もしないと言明している。
ネタニヤフ首相は同国の調査委員会初日の9日、「調査の結果、イスラエルが国際法に従って行動したことがはっきりするだろう」と述べ、支援船攻撃は国際法に基づく行動だったとの立場を改めて強調した。