2010年6月14日 23時13分
宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、殺処分対象(ワクチン接種含む)の全家畜27万5751頭のうち、処分の進ちょく率は64.2%(17万6990頭)にとどまることが14日、県のまとめで分かった。12日の梅雨入りで作業の遅れが懸念されており、残り9万8761頭の処分は「完了時期を示せない」(県対策本部)と難航している。国と県は川南(かわみなみ)町など県央部の発生農場から半径10キロ圏内で牛・豚などの全頭処分を進めている。県によると、13日現在の処分の進ちょく率は、感染疑い(計19万7701頭)が84.9%▽殺処分が前提のワクチン接種(7万8050頭)は11.7%。
国は各自治体に感染疑いの家畜の処分完了を「20日まで」と指示しているが、高鍋町では感染疑いの牛(1万3861頭)の処分が19.5%にとどまっており、「埋却予定地近くに田んぼがあり、周辺住民の同意が取れていない場所もある」と作業停滞を心配する。
また、高鍋、川南、新富の3町はウイルス拡散の危険性が高い感染疑いの家畜の処分を優先しており、ワクチン接種の家畜には「未着手」の状態だ。県は「降雨などの悪条件の中、人海戦術で急いでいる。一日も早い『家畜ゼロ』を目指しているのだが」と苦境を訴える。【中尾祐児】