高速道路の一部を無料化する社会実験が、ことし6月下旬に始まりましたが、無料化された高速道路と競合するJRの路線を走る特急の旅客数は、ほとんどの路線で1年前に比べて減少したことが、国土交通省の調査でわかりました。
国土交通省は、地方の一部の高速道路の通行料金を無料とする社会実験が始まった直後の先月3日と4日時点で、競合するJRの路線を走る特急の旅客数を調べました。それによりますと、調査対象となった9路線の12区間のうち、1年前の同じ時期に比べて旅客数が増えたのは1区間だけで、残りの11区間ではすべて減少しました。このうち▽JR北海道の函館線の滝川・旭川間と、▽宗谷線の旭川・名寄間、▽それにJR九州の日豊線の南延岡・宮崎間では、1年前に比べて14%の大幅な減少となりました。これについて、減少幅が大きかったJR北海道では「天候が悪かったことなどもあり、どの程度が社会実験の影響なのか慎重に分析する必要があるが、無料化された高速道路と並行して走る路線も多く、本格的に実施されると経営に大きな影響が出る懸念がある」と話しています。