口蹄疫:宮崎の甲子園予選に波及 無観客や開会式なし検討

2010年6月14日 10時38分 更新:6月14日 11時5分

口蹄疫の影響で対外試合が禁止され、紅白戦で使用したグラウンドを整備する宮崎工高の選手たち=宮崎市で2010年6月13日、矢頭智剛撮影
口蹄疫の影響で対外試合が禁止され、紅白戦で使用したグラウンドを整備する宮崎工高の選手たち=宮崎市で2010年6月13日、矢頭智剛撮影

 宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題が、夏の甲子園を目指す球児たちにも影響を及ぼしている。感染拡大が続けば「無観客試合」や「開会式中止」もあり得る状況で、同県高野連(猪股整理事長)は、全国高校野球選手権宮崎大会(7月10日開幕)の運営について、難しい判断を迫られている。

 5月18日発令の「非常事態宣言」を受け、県高野連はシード校を決める県大会の中止を決定。5月27日には終息宣言が出るまで、県内外での対外試合中止も決めた。さらに今月10日に宮崎市の養豚農家で感染疑いが確認され、市は予選会場の一つに予定の球場を当面閉鎖すると発表。県高野連には「夏の県予選は本当にやれるのか?」といった問い合わせも数件寄せられているという。

 猪股理事長は「努力してきた子供たちや見守ってきた親のことを考えると、最大限の防疫対策をしながら何としても従来通り実施したい」と話している。

 今春のセンバツに出場した宮崎工高(宮崎市)。夏の予選を控えたこの時期は、通常なら毎週末のように県外チームと練習試合をこなしていた。今は紅白試合しかできない。

 岩切隆公(たかひろ)監督は「レギュラーを絞り込む時期だが、選手の調子が測れない」と困惑気味。「うちはまだいい方で、紅白試合もできないチームはかわいそう」と気遣う。

 また、感染地の一つ、西都市の西都商高の佐々木典彦監督は「部員18人で紅白試合もぎりぎり。だが、被害農家の苦しみはもっと大きい。野球ができることに感謝して日々練習に励むしかない」と話している。【川上珠実】

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