「御巣鷹の尾根」にある墓標に手を合わせる日航ジャンボ機墜落事故犠牲者の遺族=12日午前7時37分、群馬県上野村
乗客乗員520人が死亡した1985年の日航ジャンボ機墜落事故は12日、発生から25年を迎えた。墜落現場の御巣鷹の尾根(群馬県上野村)では、台風4号の接近で時折雨が降る中、遺族や関係者が犠牲者の墓標を目指して慰霊登山をした。
単独機の事故による死者数は、四半世紀の節目となった今も世界の航空史上最悪。今年1月に経営破綻し、会社再建に向け大規模な合理化を進める日航にとっては、安全運航の堅持と事故の教訓を継承し続ける社内態勢の構築が、あらためて課題となる。
尾根に向かう登山口は12日早朝、ひんやりとした曇り空。遺族たちは花や供え物を手に次々と出発した。墜落地点に立つ「昇魂之碑」の前では、遺族会が飾った約100個の小さな風車が、吹き抜ける風を受け、くるくる回った。
12日午後には、担当大臣として事故後初めて前原誠司国土交通相が登り、墜落地点で黙とう。夕方、ふもとの「慰霊の園」で遺族や前原国交相、日航幹部らが参列し、追悼慰霊式が営まれる。