元会社社長の男性から1億円をだまし取ったとして、福岡県警は12日、同県春日市一の谷4丁目の指定暴力団道仁会系組幹部、岩崎浩二(49)と、男性の元妻で福岡市南区皿山3丁目のパート従業員、池田美代(61)、佐賀市嘉瀬町荻野の無職、副島和代(66)の各容疑者を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。県警によると、3人は知り合いで、いずれも「だまし取るつもりはなかった」と容疑を否認しているという。
暴力団犯罪捜査課によると、3人は共謀し、同県大野城市内の元会社社長の男性(87)から金をだまし取ろうと計画。返済する意思がないのに1億円の借金を申し込み、2003年9月11日、岩崎容疑者名義の銀行口座に1億円を振り込ませてだまし取った疑いがある。同課は、詐取した金は暴力団の資金源になったとみている。
男性は03年6月、当時の妻が病死して生命保険金1億円を受け取った。男性が多額の金を持っていると知った副島容疑者が池田容疑者を紹介し、池田容疑者と男性が03年9月に結婚。しかし、夫婦生活はほとんど実態がなく、08年4月に離婚したという。県警は金目当ての結婚だったとみている。