3回、畠山に右前適時打を打たれ、悲しげな表情を見せる内海(撮影・吉澤敬太)
「ヤクルト7-5巨人」(11日、神宮)
負けてもまだ首位。しかしG党はエースのだらしない投球に、我慢できなかった。試合後、巨人・原監督はクラブハウスへ引き揚げる途中、「ファームに落とせ」と罵声(ばせい)を浴びた。大きくそれたが、中身の入ったペットボトルも投げつけられた。ただ誰よりも悔しい思いで一杯だったのは、内海を信じて起用し続けた指揮官だった。
悲そう感を漂わせてマウンドに立つ内海に、余裕はなかった。一回に伏兵・飯原に2ランを浴びて先制点を失った。三回には好調のヤクルト打線につかまり、降板を命じられた。今季最短の2回1/3で4失点。6月24日ヤクルト戦で7勝目を挙げて以来、勝ち星から見放されて自身4連敗となった。左腕は「自分の意図したところに投げられない」と、終始うつむき加減で球場を去った。
原監督のショックも大きかった。内海について報道陣から聞かれると、「論じられない。勝手に論じてください」と厳しい表情。ただクラブハウスに入る直前、自ら立ち止まり、「(内海の)体の状態は悪くない。調整させ、休ませる余裕もない。違うポジションで頑張ってもらいます」とリリーフへの配置転換を決断したことを明かした。
左のエースとしてリーグ3連覇に貢献し、今季も開幕投手を務めた内海のリリーフ降格。2位阪神とのゲーム差も1に縮まった。首位にいながら、怪しい雲行きの原巨人。先発陣の再建に成功しなければ、リーグ4連覇はない。
(2010年8月11日)