東京中日スポーツ 55周年企画
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【コラム 撃戦記】袴田死刑囚の支援 成り行き見守りたい2010年8月11日 元死刑囚の再審請求、裁判のやり直しで無罪を勝ち取る冤罪(えんざい)事件が次々と明るみに出ている。元プロボクサーで死刑判決となった袴田巌死刑囚も、裁判で無実を訴え続けている。 1966年6月、静岡県のみそ醸造会社専務一家4人が殺害され、従業員だった袴田死刑囚が逮捕された。旧全日本ボクシング協会は、86年から支援に乗り出した。「ボクサーというと凶暴で悪人のイメージを持つ人がまだ多い」というのが理由だ。支援は引き継がれてきたが、08年3月に再審請求が最高裁で棄却されたときは「支援に消極的になった」という。 東日本ボクシング協会は06年、世界王者の協力を仰いで、試合会場で支援Tシャツの販売や募金で活動を始めた。しかし、死刑囚との面会は厳しく制限されている。07年の法改正で月一度の面会が認められている支援委員会委員長の新田渉世氏は「状況は厳しいが、ボクシングファンや業界関係者の中に支援の理解者も増えている」と、今後も前向きに取り組む姿勢だ。成り行きを見守りたい。 (格闘技評論家)
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