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W杯とともに平和も去った…南アで凶悪事件再び多発

 サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会が終了して11日で1カ月。国家の威信をかけて治安対策に取り組み、大過なく大会を乗り切った南アだが、高揚感が薄れるとともに、強盗や殺人などの凶悪事件が再び多発している。市民からは「元の南アに逆戻りした」とあきらめの声も聞かれる。

 「平和は一時的なものだった」。ヨハネスブルクの貧困地区アレクサンドラに暮らす給油所店員レボ・ガディシさん(30)がため息をついた。

 南ア政府はW杯のため、警察官約4万4千人を新規採用。大会期間中は、外国人の多い繁華街や各地の旧黒人居住区で警戒に当たる警官の姿が頻繁に目撃された。しかし大会後、目にする機会は激減したという。

 さまざまな報道を総合すると、ヨハネスブルク近郊で4日、窃盗犯の車を見た住民が、南ア大会の象徴となった応援グッズの民族楽器ブブゼラを使って援軍を要請。集まった住民らが容疑者3人を焼き殺した。

 先月下旬には、首都プレトリア郊外で、銀行ビルに押し入った強盗団と警察が銃撃戦を展開。技術者アンドレ・フォスローさん(34)は「ニュースを見ると、犯罪の発生状況はW杯の前に戻った」と感じている。

 一方、アフリカ諸国から低賃金で働く移民が流入し、仕事が奪われているとの貧困層の不満から、発生が懸念されていた外国人排斥の動きは大きな広がりを見せていない。政府は治安が悪い旧黒人居住区や、排斥運動が懸念された地域に軍を派遣。排斥を恐れ、母国に避難していた外国人も南アに戻ってきた。

 ただ、W杯中、南ア人から排斥の脅しを受けたというジンバブエ人の清掃員ジャッキー・ドゥベさん(32)は「いつ何が起きるか分からない」と不安を漏らした。 (共同)

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