豪栄道十両陥落でも見せる“改心撃”ファン声援に奮起約束

大相撲夏巡業の最終日、声援を送られる豪栄道（左）と雅山

　野球賭博に関与し名古屋場所を謹慎した大相撲の幕内・豪栄道（２４）＝境川＝が１１日、夏巡業最終日となった北秋田市で謹慎中に解雇も覚悟していた胸中を明かした。秋場所（９月１２日初日・両国国技館）は十両への陥落が予想されるが「土俵に上がれるだけで幸せです」と改心した姿をファンに披露することを誓った。

　「解雇になることも考えていました」。豪栄道が謹慎中の苦しかった本音を吐露した。６月１４日に野球賭博に関与した上申書を提出してから７月４日の理事会で謹慎が決まるまでの約３週間は「二度と土俵に上がれないかもしれない」という不安でいつも以上に朝も早く目が覚めたという。

　謹慎が決まった時は、名古屋場所に出場できない無念さよりも「また相撲が取れることを感謝した」と明かす。今回の夏巡業も直前に右太ももの裏側を肉離れし休場も考えたが師匠の境川親方（元小結・両国）と相談し「ファンのみなさんに反省した気持ちを伝えたい」と出場した。６日からこの日まで５か所と短い日程だったが「どこに行っても温かい拍手をいただいて励みになりました」と秋場所での奮起を約束した。

　豪栄道だけでない。今回の巡業で復帰した謹慎した９人の関取はそれぞれが感謝を表す。幕内・豊ノ島は「小さな一歩かもしれませんが一歩を踏み出せました」と話し、雅山も「いただいた声援を土俵上で恩返ししたい」と前を向いた。放駒巡業部長（元大関・魁傑）は「みんな思っていた以上にやってくれた」と評価した。相も変わらずゴタゴタが続く協会内。ただ、力士たちは上越から東北を駆け抜けた夏巡業でファンから勇気をもらい再生へ確かな一歩を踏み出した。