2010年08月12日(木)
「靖国」の意味 次世代に問う 山学大・小菅教授が10代向けテキスト
 |
「14歳からの靖国問題」を執筆した小菅信子さんと、長女の仰さん=甲府・山梨学院大 |
 |
「14歳からの靖国問題」 |
|
靖国問題を解いてみよう−。戦争や平和についての研究を続ける山梨学院大教授の小菅信子さん(49)=甲州市=が、著書「14歳からの靖国問題」(筑摩書房、798円)を出版した。さまざまな議論があり「百点満点の正解はない」(信子さん)という難問で、長女の仰(あおぎ)さん(14)=勝沼中3年=に尋ねた際も「よく分からない」という反応だった。戦争を知らない世代だけで、平和について考え実行する時代が来る−。娘のような世代に主体性を持ってもらうためにも「いろんな歴史を学ぶ必要がある」と思い、分かりやすく解説した「テキスト」に仕立てた。戦後65年の節目、多くの人に活用を呼び掛ける。
平和な社会 築く一歩に
「戦争が終わって50年後に生まれた娘が、靖国問題と聞いて、どの程度のことを知っているのか」。信子さんの執筆は、こんな疑問が出発点。著書の導入部は仰さんとの会話で始まる。
信子さん 「靖国問題って知ってる?」 仰さん 「靖国神社の問題で、戦争の犠牲者が祭られてるけど、首相は参拝しちゃいけない問題でしょ。よく分からないよ」
靖国神社の歴史や境内の様子、欧米の戦死者の追悼方法などを紹介。A級戦犯の分祀や神社の非宗教法人化、国立追悼施設建設など、さまざまな議論がある問題についても触れている。「英霊」といった専門的な言葉については、丁寧に説明するように心掛けたという。 さまざまな議論がある靖国神社のあり方について、「日本はもちろん、いろいろな国の、いろいろな立場の人たちが関心を寄せているから、多くの問いがある」と考えてきた信子さん。次代を担う子どもたちが今後、平和な社会をつくっていく上で、さまざまな問い掛けに向き合うためには、いろいろな歴史を学ぶことが大切である、と伝えたかった。 終戦後、シベリアなどで強制労働させられた元抑留者への一時金を支給する特別措置法が、今年になって成立するなど「ほかの国に比べて日本の戦後処理が遅れている」ことに危機感を抱いたことも執筆の動機だった。「いずれ戦争を知らない世代だけで戦後補償していく時代になる。そのとき何ができるか主体的に行動ができるようにしておく必要がある」と力説する。 著書は「一冊でも多くの本や史料集を読んで、歴史を学び、戦死者と『対話』してほしい」という読者への呼び掛けで結んでいる。信子さんは「娘のような若者たちには、自分が良いと確信できるものを見つけ、平和な世の中をつくるために行動してほしい」。そんな願いも込めている。
|
|
山日携帯サイト 県内ニュース ランキング トップ5
|
岡崎朋美(富士急)が第1子妊娠 (12日 16:03)
|
日川応援団、甲子園へ出発 (12日 12:09)
|
遊歩道から転落、男性けが 西沢渓 (12日 14:32)
|
「日川−西日本短大付」プレーボー (12日 17:36)
|
日川、西日本短大付に敗れる (12日 19:34)
|
|
→携帯サイトについて詳しくはこちら |
|
|