連日の猛暑による熱波でロシア各地で山火事が相次いでいる。ロシアは今年、気象観測史上でもっとも暑い夏をむかえており、山火事被害も記録的なものになっているという。8月11日までの政府の調査によれば、猛暑と山火事による死亡者数は15,000人に達し、被害総額は150億ドルに達する(約12兆円)と見込んでいる。
ロシアでは30~40年に一度のペースで大規模な山火事が発生するという。しかし、山火事そのものは珍しくないようなのだが、今年は連日の猛暑と熱波により、ロシア各地で山火事が大発生。全土を焼きつくすほどの悲惨な状態に発展している。ロシアの情報を伝える『English Russia』には、山火事被害の状況を示す地図が掲載されている。その様子はロシア全体が真っ赤に燃え上がり、国が壊滅しそうな勢いだ。
現在までに発生している山火事の件数は、推定で700件。17万4000ヘクタールを焼きつくした。すでに消防隊員は15万人以上動員されているにも関わらず、鎮火にはなお時間がかかる。この山火事で膨大な量の煙が発生し、モスクワから100km離れた都市では防煙マスクなしでは生活できない。煙は住居や地下鉄の中まで流れ込み、街を捨てて非難する人までいるという。さらには煙が空を覆いつくし、農作物も壊滅的な状況にある。
現在もっとも被害が懸念されているのは、ロシアの各地に設けられた原子力発電施設への影響だ。原子力施設を持つウラル地方のオゼルスクでは、すでに非常事態宣言が発令されていると現地メディアは報じている。記録的な猛暑が思わぬところで恐ろしい被害を与えているようだ。山火事の1日も早い収束を願ってやまない。
Screenshot from englishrussia.com.
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