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まさか!?の会長選…森元首相、求心力なし運もなし

自民党参院議員会長選で、くじを引く谷川秀善氏(左)と中曽根弘文氏
自民党参院議員会長選で、くじを引く谷川秀善氏(左)と中曽根弘文氏
Photo By 共同

 自民党の参院議員会長選が11日投開票され、一騎打ちとなった中曽根弘文前外相(64)=無派閥=と谷川秀善参院幹事長(76)=町村派=が同数となり、くじ引きで中曽根氏が選ばれた。谷川氏は町村、額賀、古賀の3派閥の支持を取り付け、優位とみられていたが、党内の派閥主導への不満が大きかった。同氏を推してきた町村派の森喜朗元首相ら派閥幹部の求心力が低下する可能性もありそうだ。

 会長選は尾辻秀久副議長(前会長)らを除く党所属参院議員82人が投票。中曽根、谷川両氏が40票ずつ(無効票2票)で並んだ。

 会長公選規程に従い、くじ引き決戦に発展。1から6までの数字が書かれた6本の棒が用意され、少ない数字を引いた方が勝つ仕組み。先に引いた谷川氏は5で、中曽根氏は1。谷川氏は中曽根氏の棒をのぞき込むと肩を落とした。

 これまで長らく実力者が後継会長を事実上指名する無投票選出が続いてきた。「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元会長の政界引退で「重し」が取れたこともあり、一本化調整ができず、97年の会長公選規程施行以来、初の選挙戦となった。

 谷川氏は町村、額賀、古賀の3派幹部による「派閥連合」支持を取り付け、森氏は電話などで所属の若手議員らの締め付けを図った。単純に3派の人数を合計すると54人で、半数を上回るはずだった。一方、中曽根氏は派閥主導批判を展開。ふたを開けてみたら、くじ引き決着で、しかも、中曽根氏の推薦人の山田俊男氏が中国出張で欠席した中での同数。同氏が投票していれば41対40となっていた。派閥主導への不満が大きく、締め付けがよりきかなくなったと言えそうだ。

 谷川氏が敗れたことで、同氏を推した森氏や町村派の町村信孝会長ら派閥幹部の求心力低下など、党内力学に変化が起きる可能性もありそうだ。森氏は06年に派閥会長を町村氏に譲り、森派から町村派に変わって以降も、名誉会長として影響力を行使してきた。しかし、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で8日に長男の祐喜容疑者(45)=石川県議を辞職=が逮捕されたばかりで、まさに泣き面にハチ状態と言えそうだ。一方、町村氏は、民主党の小林千代美氏の衆院議員辞職に伴う北海道5区補選に出馬する意向を示しているが、勢いをそがれた格好だ。

 中曽根氏は当選を受け、所属していた伊吹派に退会届を提出。参院で野党が多数を握る「ねじれ国会」対応の実務を担う幹事長など、参院執行部人事に着手した。記者会見では「派閥順送りはしない」と強調した。

 ◆会長公選規程 自民党の参院議員会則の中にあり、投票が同数であった場合、くじ引きになることが定められている。くじ引きの方法はその時々の選挙管理委員長が決める。今回、くじの棒を6本にしたのは「2本だとどちらが先に棒を引くかを決めなくてはならず、複数の方が平等で禍根を残さないため」(党参院事務局)。総裁選でも投票が同数になれば、くじ引きになる。

 ◆自民党参院議員会長 幹事長、国対委員長など参院執行部を指名する。党幹部でも参院人事には手を出せないとされ、発言力が強いとされる。中でも、99〜01年の小渕、森両政権下の村上正邦氏は「参議院の法王」「村上天皇」、04〜07年の小泉、安倍両政権下の青木氏は「参院のドン」と呼ばれ存在感を放った。

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