【社説】個人情報の無差別収集、グーグルだけではない

 警察庁サイバーテロ対応センターは10日、グーグルコリアを家宅捜索した。グーグルがインターネット地図検索の映像情報サービス「ストリートビュー」に必要な情報を収集する過程で、無線LANユーザーの個人情報を無断で収集し、保存していた疑いだという。ストリートビューは特殊カメラを搭載した車で道路を走り、撮影した街路写真を地図上で表示するサービスだ。

 グーグルによる個人情報収集騒動は、今年5月にドイツ政府が疑惑を提起したことがきっかけだった。グーグルが街路写真を撮影する際、地区ごとに無線LANのネットワーク情報も同時に収集し、セキュリティー措置が講じられていない無線LANから電子メール、メッセンジャー、表示中のウェブサイト画面などの個人情報を集めているとの疑惑だった。グーグルは事実関係を認め、「重大な過ちを犯した」と謝罪した。その後、米国、日本、欧州が調査を行い、グーグルに非難が集中した。

 グーグルコリアは、韓国でストリートビューのサービスを導入するため、昨年10月から無線LAN受信装置を備えた車で主要都市の街路写真を撮影した。しかし、ドイツでの騒動を受け、韓国でも撮影を中断した。そして、個人情報の処理方法を放送通信委員会と協議中、警察がグーグルコリアに対する家宅捜索に踏み切った格好だ。しかし、グーグルは韓国国内にデータセンターを置いていないため、警察が押収したハードディスクに関連情報が含まれている可能性はほとんどないという。

 グーグルの不法な個人情報収集は、プライバシーを明らかに侵害しており、確実な再発防止策が必要だ。また、無線LANのセキュリティー問題についても、全般的な見直しが求められる。スマートフォンをはじめとする新種のインターネット接続機器が普及し、無料でインターネットに接続できる無線LANが重要な通信インフラとして浮上したためだ。通信各社が設置した無線LANは一定のセキュリティー措置が施されているが、個人が設置した無線LANは大半が無防備な状態だ。今回の事件は、個人の無線LANから個人情報が漏れる可能性があることを浮き彫りにした。スマートフォンに対するハッキングなどのプライバシー侵害に対応し、技術の発展に見合う新たなセキュリティー対策が待たれる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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