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【検証・日韓併合100年】(上)「どのような談話を希望か」 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:歴史認識
政策転換とは、慰安婦らの個人補償問題を政府・与党で進めることを指す。昭和40(1965)年の日韓基本条約と関連協定で両国は個人補償請求権問題を「完全かつ最終的」に解決しているが、政策転換が実現すれば、日韓条約体制を覆すことになる。
実際、民主党は20年までの9年間、元慰安婦に国が謝罪し、金銭支給する「戦時性的強制被害者問題の解決促進法案」を国会に提出してきた。
法案の旗振り役である仙谷氏は7月7日、日本外国人特派員協会で講演し、こう述べた。
「法律的に正当性があるといってそれだけで物事が済むのか。改善に向けて政治的な方針を作り、判断をしなければいけない案件もあるのではないか」
日韓戦後処理に「新たな個人補償」の政治方針も可能だと示唆したに等しい。これが政権ナンバー2の発言だっただけに衝撃は大きかった。
4日後の7月11日に民主党は参院選で大敗した。もし民主党が参院選を制していれば、談話に日韓「65年体制」(基本条約体制)を根底から揺るがす内容が盛り込まれたかもしれない。
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7月16日、仙谷氏によって日本政府が新談話の検討に入ったことが公言されると、韓国サイドは外交ルートのみならずさまざまな要望を提示した。
その最右翼は「日本が『強制的な日韓併合条約(1910年)はそもそも無効であった』と認めれば、最高だ。どうせ出すなら村山談話や河野談話を上回ったものにしてほしい」(外交官ルート)という日韓併合条約の不法・無効論だった。日本の事情に通じる知日派は「戦後補償には発展しない形でのお詫びでいい。戦後補償までいくと日韓関係がぼろぼろになってしまう」(政治家ルート)との提言を伝えた。