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【検証・日韓併合100年】(下) 過剰な配慮、要望丸のみ (1/3ページ)
日韓併合100年の首相談話は当初、8月15日に予定されていた。
「出すのなら、早くならないか」
こう打診したのは韓国側だった。
韓国で反日ナショナリズムがメディアを中心に高まる8月15日の光復節(日本統治からの解放記念日)には、李明博大統領の演説がある。併合100年の大統領演説には大きな注目が集まる。韓国側はこう持ちかけた。
「15日に(談話の)評価を込めて演説をしたい」
韓国側の要望は2つ。(1)「村山談話」(平成7年)の「痛切な反省」の主語として、併合が韓国人の「意に反して行われた」との言及が欲しい(2)文化財返還も、談話に入れてほしい−。菅談話は、(1)も(2)も受け入れた。特に「意図に反した併合」のくだりは韓国の史観の引き写しかと見まがうばかりだ。
李政権にとって、今夏の対日政策は、国内政治だったという見方もある。李明博政権は8月で後半任期に入り、すでに次期大統領選を意識した展開に入っている。進歩勢力が李政権の対応の甘さを指摘して反日運動が燃えさかっては困る。今夏をうまく乗り切る必要があった。
両国政府を「菅談話」に集約していった背景には、国際情勢も影響していた。 日本の菅政権が自民党政権下になかった東アジア共同体などアジア重視を打ち出そうとしたのに対し、韓国の李明博政権にとっては、北朝鮮による哨戒艦撃沈事件発生後、対日政策より対北対応が焦眉(しょうび)の急となっていた。
「韓国は日本の重要性を再認識していた」(外交筋)
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