はやぶさ:大気圏突入、本体燃え尽きる…カプセル分離成功

2010年6月13日 23時2分 更新:6月14日 2時19分

地球へ帰還し、光り輝きながら夜空を進むはやぶさのカプセル。天の川(左)の方向で消えた=オーストラリア・グレンダンボ近郊で2010年6月13日午後10時52分ごろ(日本時間)、永山悦子撮影
地球へ帰還し、光り輝きながら夜空を進むはやぶさのカプセル。天の川(左)の方向で消えた=オーストラリア・グレンダンボ近郊で2010年6月13日午後10時52分ごろ(日本時間)、永山悦子撮影

 【グレンダンボ近郊(オーストラリア南部)永山悦子】小惑星イトカワの岩石採取に挑んだ探査機「はやぶさ」は13日深夜、地球に帰還した。月より遠い天体に着陸し、地球に戻ってくるのは史上初。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、はやぶさは午後10時50分ごろ(日本時間)、大気圏に突入、カプセルが加熱されて輝く「火球」がウーメラ砂漠で観測された。はやぶさ本体は大気圏で燃え尽きた。

 カプセルが無事着地し、中にイトカワの砂などが入っていれば、世界で初めて小惑星で直接採取した物質となる。03年5月の打ち上げから7年。予定より3年長引いた旅の総距離は、月への往復約8000回に相当する約60億キロに達した。

 ◇はやぶさ◇

 地球以外の天体から岩石などを持ち帰る探査に必要な技術の実証を目指した探査機。▽新型のイオンエンジン▽カメラ画像などを使った自律的な航行とイトカワへの接近・着陸▽小惑星での岩石採取▽試料を収めたカプセル回収--などの新技術に挑戦した。上空から狙いを定めて着地し、すばやく飛び立つ様子が、岩石採取の手法に似ていることから、この愛称がつけられた。

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