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【検証・日韓併合100年】(上)「どのような談話を希望か」 (1/3ページ)
7月21日、複数の民主党有力議員が韓国・ソウルを訪れた。彼らは旧知の青瓦台(大統領府)幹部らとの会談でこう尋ねた。
「どのような首相談話を希望されるのか」
韓国サイドは「日本のやりやすいものを行動でみせていただければ、高く評価できる」と応じたという。
仙谷由人官房長官が、日韓併合100年にあたり首相談話を検討していることを明らかにしたのは7月16日の記者会見だった。
突然の表明に慌てた事務方は仙谷氏に「村山談話を超えるものは無理だ。補償問題に踏み込めば、中国やフィリピンなどアジアが沸騰する」と再三説明した。平成7年に終戦50年に際して村山富市首相(当時)が発表した首相談話はアジア全般を対象とした。新談話ではどう新味を付けるのか。通常ならば事務レベルが両国の相場観を探るが、政治主導にこだわる民主党政権でそれはなかった。
結局、これが、先述の政治家が相手国中枢部に直接尋ねるという外交の常識外の珍事につながった。いきさつを聞いた政界筋は「民主党は外交も国対の感覚なんだな…」とあきれた。
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日韓併合100年をどう乗り切るかは昨年来、両国政府の懸案だった。政府レベルの行事は行わず、静かにやり過ごすーこれが当初のコンセンサスだった。
昨年9月の政権交代で韓国側が期待値を上げた時期もあったが、小沢一郎前幹事長の定住外国人への地方参政権付与に関する世論を無視した「空手形」や、鳩山由紀夫前首相の米軍普天間飛行場移設問題での迷走を横目に、韓国の民主党熱は急速に冷えていった。
再び韓国の期待に火を付けたのは民主党の「歴史観」だった。「自虐史観」「贖罪意識」といった方がよいかも知れない。
2月に初訪韓した岡田克也外相は、柳明桓外交通商相との共同記者会見で日韓併合100年を「大きな節目の年である」と明言し、「民族の誇りを傷つけられた人々の気持ちは理解できる」と踏み込んだ。
続いて今春には民主党幹部から韓国側にあるマル秘計画が伝えられた。関係者は「日本政府が今夏に慰安婦政策の転換を検討中という話だった」と証言する。