宮崎県で猛威を振るった家畜の伝染病、口蹄(こうてい)疫がようやく収まり、県は27日に非常事態宣言を解除する方針だ。このまま再発しなければ、10月に「清浄国」への復帰を申請できるようになる。ただ、発生多発地域では家畜の排せつ物などに大量のウイルスが残っているほか、中国を中心とするアジアで依然感染が続いている。警戒態勢は緩められない状況だ。
口蹄疫の感染経路は農林水産省の専門家チームが解明中だが、アジアからの侵入説が有力。ウイルスのタイプは、今年に入り中国や韓国、台湾、香港といった周辺国・地域で相次いだO型で、遺伝子の配列は香港、韓国型と99%程度一致している。中韓台では6月にも感染例が報告されており、いまだ「終息宣言」は出されていない。
アジアでの感染拡大で、日本国内では、空港や港湾での靴底消毒の徹底など水際対策が取られてきた。ただ、観光客やビジネスマンの行き来を含め「侵入リスクを完全にゼロにするのは難しい」(農水省)という。
[時事通信社]