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口蹄疫

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写真:余生をのんびりと過ごしていた「安平」=2009年6月29日、宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団、阿部彰芳撮影:余生をのんびりと過ごしていた「安平」=2009年6月29日、宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団、阿部彰芳撮影

余生をのんびりと過ごしていた「安平」=2009年6月29日、宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団、阿部彰芳撮影

解説

口蹄疫とは

 豚や牛などに伝染する家畜の伝染病の一つ。英語でfoot−and−mouth disease(FMD)。口蹄疫の「蹄」は「ひづめ」のことで、牛や山羊、羊、豚、カモシカなどが感染する。感染した家畜は足や舌に水泡ができてえさが食べられなくなり、急激にやせ衰える。人には感染せず、感染肉を食べても人体への影響はない。2010年、宮崎県で猛威を振るい、政府の対策本部は5月19日、発生地から半径10キロ圏内で、計約20万5千頭の牛と豚にワクチンを打った上で殺処分にするなどの対策を発表した。地元からは対応の遅れを指摘する声も上がっており、野党も政権批判を強め、政治問題化する事態になっている。

 口蹄疫の感染経路としては(1)動物同士の接触や、咳によって生じた飛沫を吸い込んだ場合など(2)感染した動物と接触した人がウイルスを運んだ(3)感染した動物のふんやよだれがついた車や器具が媒介した―などが考えられる。専門家によると、今回の場合は「ネズミやハエなど野生動物による拡散も考えられる」という。

 感染力が強いため、家畜伝染病予防法に基づき、農場の周囲には移動制限区域が設けられ、家畜の移動が禁じられる。

 2000年にも、宮崎県と北海道で発生した。この時は4カ所で感染が見つかり、約740頭を処分し、3カ月で終息。ウイルスの力が弱かったとみられ、例外的に短くて済んだ。昨年から今年にかけ、中国や台湾、韓国でも発生している。18世紀に世界に拡大したとされる。(アサヒ・コム編集部)

解説文は10年5月20日更新

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