2010年07月02日 (金)ここに注目! 「根絶できるか?口てい疫ウイルス」

続いてニュース解説、「ここに注目」です。お伝えしましたように今日、宮崎県都城市で家畜の移動制限が解除されました。残る課題は感染が拡大した川南町周辺でのウイルスの根絶です。合瀬宏毅(おおせひろき)解説委員です。

Q.都城では、心配された感染拡大を防ぐことができましたね?

A.日本一の畜産地帯ですから、現場ではほっとしたことだと思う。
口蹄疫の対策マニュアルでは、感染した疑いのある家畜を処分してから21日間、発生地から10キロ以内に新たな感染が見つからなかった場合、その地域にウイルスがいなくなったとして、家畜の移動禁止が解除される。
都城市の場合、区域内の牛や豚を、血液検査や状態を見て調べたところ、いずれも感染の痕跡が見つかりませんでした。こうしたことから、この地域にはウイルスが残っていないと判断されたわけです。

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Q.川南町周辺はどうか?

A.今後注目していかなければいけないのは川南町周辺です。この地域では一昨日までにワクチンを打ったものも含め、27万頭あまりの家畜を埋めるなどの作業、全て終わった。ただこれでウイルスがいなくなるわけではありません。
 口蹄疫のウイルスは夏場だと一週間以上、生きていると言われます。
川南町周辺ではまだ家畜の排泄物、エサなどウイルスが残っている可能性のあるものの処分が終わっていない農家があります。こうしたものの処分を急ぐとともに、しばらくは消毒を繰り返す必要がある。

Q.家畜がいなくなればウイルスも消えるわけでは無いんですね?

A.逆に家畜がいなくなることでウイルスを見つけるのが難しくなった。ウイルスが残っているかどうかを調べるためには、そこに感染源となる牛や豚がいなければならない。牛や豚に感染して始めて、ウイルスの所在を確認できるわけです。ところがこの地域では全ての牛や豚を処分してしまったので、この方法が使えない。
農林水産省では消毒などを徹底すればウイルスはいなくなると考えていますが、念のため農場などの壁を拭き取って検査をしたり、子牛などを持ち込んで、感染するか実験を行う方法などを検討しているようです。

Q.今後とも気が抜けないですね。

A.このまま新たな感染が見つからなければ16日にも宮崎県全体の家畜の移動制限が解除されます。
ただ対策が一段落(いちだんらく)して、気がゆるむのがもっとも危険です。畜産関係者には今後とも気を抜くことなく、消毒を徹底して欲しいと思います。

投稿者:合瀬 宏毅 | 投稿時間:08:24

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