日韓併合100年:朝鮮王室儀軌など返還なるか?

 日本の宮内庁書陵部に所蔵されている韓半島(朝鮮半島)由来の図書は、「朝鮮王室儀軌」81種167冊など朝鮮総督府が寄贈したものが84種282冊、帝室図書のうち儒教経典や医学・軍事書籍38種375冊、歴代国王が教養を磨くため受けた講義「経筵(けいえん)」に使われた書籍3種17冊などだ。

 このうち、最も代表的な韓国の文化財は、朝鮮時代の王室や国の主要行事を文章と絵で記録した「朝鮮王室儀軌」だ。その中には「明成皇后国葬都監儀軌」「嘉礼都監儀軌」などがある。

 文化財庁関係者は「朝鮮王室儀軌は、朝鮮総督府が1922年に朝鮮王室図書館『奎章閣』にあったものを、寄贈という名目で日本に持ち出したと推定される」と話す。

 「帝室図書之章」という役印が押されている書籍は、朝鮮王室の所有だったことが明らかで、375冊に達する。「周易伝義大全」「家礼」といった儒教書や、「唐書」などの歴史書、「孫子大文」「歴代将鑑博議」などの軍事書、「世医得効方」「新編医学正伝」などの医学書が含まれている。

 王が教養を磨くため受けた講義「経筵」に使われた書籍のうち、日本にある「通典」(中国の制度史百科事典)は、11世紀の高麗・粛宗の時代のもので、重要文化財クラスと評価されている。このように、宮内庁書陵部の書籍には、韓国でも貴重なものが多い。

 文化財返還運動を進めている団体の事務総長を務める僧侶ヘムン師は「日本の首相談話に、朝鮮王室儀軌を返還する意向があることをほのめかす部分があるというのは、意義深い。返還をきっかけに、韓日両国は友好的な関係へと進んでいかなければ」と述べた。

写真=明成皇后国葬都監儀軌

許允僖(ホ・ユンヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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