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大逆転まであと一歩!ブラが金本が大飛球

 九回、右飛に倒れ、悔しがる金本
 九回、右飛に倒れ、悔しがる金本

 「広島7‐6阪神」(10日、マツダ)

 阪神が今季初の5連敗を喫した。相手投手に打たれ、守備でもミスが出ての敗戦。それでも連敗脱出への兆しは見えた。マット・マートン外野手(28)が15試合ぶりの11号ソロ、城島健司捕手(34)も9試合ぶりの19号2ランを放った。あとは最後のアニキの打球が逆転2ランになっていれば…。

  ◇  ◇

 6日ぶりの白星に手が触れていた。だがあと一歩の差で、つかみきれなかった。1点差に迫り、なおも九回2死三塁、金本の痛烈なライナーが広瀬のグラブに収まる瞬間をネクストで目に焼き付けた城島。瞬時にこみ上げる7失点の反省、5連敗の悔しさ‐。それでも反撃の炎をともした9試合ぶりの19号2ランが、ひん死の猛虎打線をよみがえらせたのは間違いない。

 4点を追う八回だった。1死一塁で迎えた第4打席、カウント2‐1から低めに落ちる変化球をきれいにバットですくい上げた。「うまくバットが残っていた。追い込まれていたのもあったから」と言う打球は、失速することなく左中間席へ着弾。城島弾が飛び出せば10連勝中という“神話”に後押しされるように、チームの重苦しい雰囲気がガラリと変わった。

 まだいける‐。今季、白星の半数以上を逆転でもぎとってきた猛虎打線の力強さが最終回のグラウンドに戻っていた。1点差に迫り、最後まで戦う姿勢を見せつけての敗戦。5試合ぶりに毎回の2ケタ10安打を放った打線は、過去4試合とは明らかに違った。

 七回には不振を極めるマートンにも、右方向へ15試合ぶりの一発が飛び出した。好調を維持していた前半戦は右翼への長打も多かっただけに、「自分としてはいいスイングができてきた」と確かな手

応えを感じ取っている。それだけに今、一番欲しているのは連敗を止める1勝。「結果が出たのはいいことだけど、1番はチームが勝つこと」と悔しさをにじませる。

 それは城島も同じ。「(四回は)石原を勝負に行って歩かせて、篠田勝負だったけど、バッテリーとして最悪の結果。最後の1点も痛かった。タラレバを言っても仕方ないけど」と後悔の念をはき出した。そして「こういう流れの時はピッチャー、バッター、どちらかが頑張らないといけない。ボクはその両方。投手が点を取られなければ負けないから」と5連敗の責任を一身に背負う。

 “ジョー弾神話”は止まった。ただ、以前から和田打撃コーチは「ジョーの一発は流れを変えてくれる。チームの空気を変えてくれる」と断言していた。城島が放った左中間への放物線。流れが変わったその先には、必ず白星が待っている。

(2010年8月11日)





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