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2007年8月31日

甲子園、隠れた主役は“土”にあり

シートに覆われ、すでにリニューアル気分漂う甲子園球場。10月より、本格的な工事に入ります。

第89回、全国高等学校野球選手権大会も終わった。

熱闘繰り広げられる試合も気になるが、ずっと気になっていたのは、甲子園の“土”だ。
敗れた球児たちが土を持って帰るのは甲子園の恒例。しかしあれほど毎年土をお持ち帰りされてしまうと、そのうち地面が禿てしまわないかと不安になってしまう。

まずこの土だが、真っ黒に見えるものの、実は黒土と白砂のブレンド物だという。
黒土は国産もので、産地は補充のたび変わるそうだが現在は鹿児島産。
そして白砂は中国産。これは10年ほど前に中国福建省で購入したものを現在も使用しており、実は甲子園の土は「日中のハーフ」なのだった。

ちなみに土の補充は2年に一度、暮れから正月にかけてのシーズンオフ期間に実施される。
それも一気に土を替えるのではなくちょっとづつ加えていくという、老舗ウナギ店のタレ手法。土さえも歴史の積み重ねなのだ。
しかし2年に一度しか補給されない甲子園の土。「球児たちが土を持って帰っても減ることはないのか」と阪神の広報の方に伺ったところ、「全体からするとごく少量なので、大丈夫です」と言うことで、甲子園が禿げる心配はなさそうだ。

持ち帰り量について規定は定めていないようだが、あくまでも思い出の品なので、ビックリする量を持って帰る球児もいないそう。

そして持って帰った土は一体どうなっているのか、敗れた高校に尋ねてみると「他の高校さんは知りませんが、当校では負けた悔しさを忘れないよう大切に保管しています」と、どうやら臥薪嘗胆アイテムとして使われているようだった。

ところで阪神甲子園球場の生まれは大正13年8月1日。
およそ80年以上の間「高校野球の聖地」「タイガースの本拠地」と言われてきたこの球場も今シーズン終了後より、リニューアルに入る。

球場の完成は平成21年春。全体の竣工は22年春という大がかりなもので、座席の改良や銀傘の掛け替え、外周の整備などが行われる予定だ。
その際、甲子園の名物でもあるツタはいったん伐採されるが、リニューアル後にはきちんと再生。さらにスコアボードやグラウンドも今のままと、気になる甲子園の顔は大切に継承される。

しかしこれほど大がかりなリニューアルだというのに、工事が行われるのはシーズンオフの期間のみ。春夏の高校野球や、プロ野球の公式戦は行うという聖地の意地で野球ファンは一安心だ。

なお、通常シーズンオフ期間の甲子園は、コンサート会場や一般への貸しグラウンドとして利用可能となるが、この数年間は残念ながらストップする。

なので歴史ある今の甲子園を拝めるのは今シーズン中だけ。リニューアル前に、一度足を運んでみては。
(のなかなおみ)
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