アフガニスタンでこの半年間に戦闘やテロに巻き込まれて死亡した民間人の犠牲者は1200人以上に上り、去年の同じ時期に比べ、20%余り増え、治安の悪化が進んでいることが浮き彫りとなりました。
これは国連アフガニスタン支援団が10日、発表したものです。それによりますと、ことし1月から6月末までの半年間に、戦闘やテロに巻き込まれて死亡した民間人の犠牲者は、1271人に上りました。これは、2001年のタリバン政権崩壊後、年間の犠牲者が2400人余りと最悪だった去年の同じ時期に比べて、さらに21%増加しています。このうち、反政府武装勢力タリバンなどによるテロや仕掛け爆弾の犠牲となった民間人が全体の72%を占め、タリバンの拠点のある南部で民間人が処刑されるケースが著しく増加していると指摘しています。一方、国際部隊やアフガニスタン軍による攻撃に巻き込まれて死亡した民間人は、犠牲者全体の6分の1に当たる220人余りで、去年の同じ時期と比べると、30%近く減りました。アフガニスタンでは、国際部隊の死者もことしに入って400人以上に上っており、アメリカ軍などの兵力増派にもかかわらず、治安の悪化が進んでいることが浮き彫りとなりました。