日韓併合100年:村山談話より踏み込んだ菅談話(下)
■併合条約の不法性は言及回避
韓国政府と専門家は、菅首相が強制併合の強制性について、どれほど具体的に言及するかに注目していた。日本の立場では、自国の法と条約体系を否定してしまうリスクから、強制併合条約を「不法」と認めるのは困難だとみられていた。しかし、1904年の韓日議定書、05年の乙巳勒約(いっしろくやく・第二次韓日協約)、1910年の強制併合条約という一連の過程が韓国の意思とは無関係に強制的に進んだという部分さえ認めれば、間接的に植民地支配の不法性を認めたと解釈可能な余地がある。
しかし、菅首相はその部分を避けた。例えば、独島(竹島)問題と関連し、日本は1905年に独島を日本に編入した決定の根拠として、大韓帝国の財政権、外交権を奪った1904年の第一次韓日協約を挙げている。日本が1904年から10年に至る植民地化の過程について、強制性を認めれば、日本の独島に対する領有権主張の根拠が揺らぐこともあり得る。このため、菅首相は今回の談話で1910年の強制併合から36年間の植民地支配に対してのみ、「韓国人の意に反して行われた」という表現を用いた。
東北亜歴史財団のイ・ジョングク博士は「併合条約の不法性を認めることが難しくても、乙巳勒約など併合に至る手続きに問題があったことは認めるべきだ」と指摘した。
■日本政治の現実
菅首相の談話内容が物足りないものであっても、日本政府が直面する政治的状況を考えれば、評価すべき部分も多いとの声もある。菅首相は先月の参院選で敗北し、来月には民主党代表選を控えている。野党自民党だけでなく、与党内からも「韓国に行き過ぎた謝罪を行ってはならない」との圧力を受けてきた。国民大の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「韓国側にとっては残念だが、菅首相は自身の政治生命を懸けて談話を発表したと思う」と述べた。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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