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ハマコー逮捕 借金担保の株売却で2億円損害
参院選で自民党候補の応援演説をする浜田幸一容疑者
Photo By 共同 |
千葉県警捜査2課は10日、背任容疑で、「ハマコー」の愛称で知られる元衆院議員の浜田幸一容疑者(81)=千葉県富津市=を逮捕した。浜田容疑者は、借金の担保として差し入れていた株券を勝手に売却し、知人の会社に2億円の損害を与えた疑いが持たれている。県警の取り調べに対し「答える意思はありません」と供述しているという。
県警捜査2課によると、浜田容疑者は10日午後2時ごろ、千葉市内のホテルで逮捕され、身柄は千葉北署に移送された。
逮捕容疑は、06年3月から4月にかけて、知人の男性が経営する産業廃棄物処理会社(千葉市稲毛区)から2億円の融資を受ける際、借金の担保として提供した株券を無断で売却し、この会社に同額の損害を与えた疑い。この男性とは、仕事を通じて知り合い、数十年の付き合いがあった。
担保の株券は東証1部上場の情報通信企業のもので、05年6月下旬に差し入れた。株券は他人名義だったため、浜田容疑者は同年10月中旬、自分の名義に変更するとして一時返還を受けた。しかし、担保として戻さずに、翌06年3〜4月に数回に分けて計数百株を売却した。売却益は2億2000万円とみられる。
産廃処理会社の会長(65)は「融資金の担保として情報通信企業の上場日に800株を受け取った。返済期限は05年12月下旬だったが、金は戻ってこなかった」と話している。同社は2億円の損害を受けたとして今年2月、刑事告訴していた。
浜田容疑者は昨年1月、千葉地裁から破産手続きの開始決定を受けている。破産管財人の弁護士によると、今も手続きは継続中。長男の浜田靖一前防衛相の後援会メンバーの会社社長によると、浜田容疑者は93年の政界引退後、金策に窮しており、約半年前には数百万円の融資を依頼する電話があったという。
モンゴルの金山開発をめぐり金を集めていたとの情報もある。周辺の話によると、債務は30億円を超えていたというが、浜田容疑者は逮捕前、フジテレビの取材に対し「33億5000万円借金があるが、自分の財産を50億円売り払って解決寸前だ」と語っていた。
テレビ出演時などは「ハマコー節」と呼ばれる、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いでおなじみだが、県警の取り調べには「事件について答える意思はありません」と供述を拒んでいる。
▽背任罪 役職や地位などを利用して自分が利益を得るため、会社などに財産上の損害を与えた場合に成立する。刑法247条。法定刑は5年以下の懲役、または50万円以下の罰金。また、企業の取締役や監査役などの役職者が同様の行為を行った場合は、商法486条で特別背任罪が規定され、背任罪より重い処罰となる。
◆浜田 幸一(はまだ・こういち)1928年(昭3)9月5日、千葉県富津市生まれの81歳。日大農獣医学部中退後の1955年に富津町議員に当選、県議などを経て69年の衆院議員選(旧千葉3区)に自民党から出馬し国政へ。農林政務次官、防衛政務次官などを歴任したが、80年にカジノ賭博事件で議員辞職。83年の衆院選で再選を果たす。93年に息子・靖一氏に地盤を譲り政界から引退。以降、政界のご意見番としてバラエティー番組など数多く出演。当選7回、趣味は囲碁。
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