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きょうのコラム「時鐘」 2010年8月11日
立秋を過ぎても酷暑が続く。とても残暑見舞いの気分ではない。それでも朝晩は、わずかにしのぎやすくなった
「辛そうで辛くない少し辛いラー油」が人気である。それになぞらえると、「残暑のようで残暑でない。少し残暑の夏」か。遅まきながら、評判の品を食べた。名の通り、見た目と違って辛くはないが、やがて少しの辛さが追いかけてくる。この後味がクセモノで、暑さの折、はしが進む そのラー油を使った食品が、消費刺激を狙って相次いで登場、と報じられた。残暑どころか、消費戦線は底冷えが続く。外は酷暑、懐は寒風の季節である 少し辛い後味とは、うまいところに目をつけた。食べた途端、舌に訴える味だけでなく、口の中にじんわり広がる味もある。後味も十分に楽しめてこそ、おいしさは引き立つ 当節は節約疲れで、「プチ(小さな)ぜいたく」が流行とか。ぜいたくは敵ではなく素敵なはずである。小さなぜいたくが尾を引いて、世の中に活気が戻ってほしいが、肝心の旗振り役が「政治家のようで政治家でない」ように映る。せめてピリ辛の「少しは政治家」とはいかぬものか。 |