2010年6月12日 9時46分
【ブリュッセル福島良典】ゲーツ米国防長官は11日、ウラン濃縮活動を続けるイランが核兵器を開発するまでには1~3年かかるとの見通しを示した。ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)国防相会議後の記者会見で語った。
同長官は「イランが今後、少なくとも1~2年は核兵器を手にすることはできないとの見方が大勢だ。情報機関の推定では1~3年の幅だ」と指摘した。その上で「イスラエルを含め、我々には、まだ時間がある」と述べ、国際社会が外交圧力を強化する必要性を強調した。
国連安保理は9日、イランに対する追加制裁決議を採択した。これを受け、欧州連合(EU、加盟27カ国)は14日の外相会議で制裁措置を協議する予定。ゲーツ長官はEUなどに対して、イランの石油・ガス輸出事業への民間企業の参加を停止するよう促している。