【アブダビ=貫洞欣寛】イスラム圏が11日ごろからラマダン(断食月)に入るのに先立ち、アラブ首長国連邦(UAE)の宗教当局は10日までに、猛暑のなかで働く労働者が断食を中断して水を飲むことなどを認める宗教見解(ファトワ)を出した。地元紙などが伝えた。
宗教見解は石油産業の労働者からの質問に答えるかたちで「過酷な状況にある労働者は、不可能だと判断すれば断食を中断してもよい」としている。
ラマダンでは約1カ月にわたり、日の出から日没まで食事や水を飲むことが禁じられる。ラマダンの時期はイスラム暦に基づいて決まるため、毎年10日ほどずつ早まる。今年は真夏の断食となった。普段でも病人や妊娠中の女性などは断食が免除される。8月のUAEは気温40度を超える猛暑のうえ湿度が高く、屋外で働く労働者が水を飲めないと生命にかかわりかねないため、この見解が出たとみられる。