元衆議院議員で「ハマコー」の愛称で知られる浜田幸一さんが6月8日、ツイッターの魅力をつづった著書「ハマコー だう! ~ツイッターの言葉力~」(講談社)を出版した。実体験をもとに、政治とツイッターの関係やツイッターから見る今後の日本の展望などが、ユーモアあふれる筆致でつづられている。浜田さんに話を聞いた。
-- 鳩山由紀夫前首相の退陣、菅直人首相の誕生という絶妙な時期の発売になりましたね。
ラッキーだった。そもそも、親族から大金をもらった鳩山と黒い(疑惑の)小沢、そんなものは政治ではない。そういうことで日本国民は支えられない。私は「黒い」というより「真っくろくろ」だけれども(笑)。鳩山さんには感情がなかった。退陣後もツイッターを続けるなら、日本全国全部の少年少女・青年と握手をして歩く、子どもから大人まで自分の手のぬくもりを伝えていくようなツイッターにしなくては。いずれにせよ、鳩山は、この本を読まない方がいい。あの人はもともとお金持ちだから、何を教えようとしても無理ですよ。
-- 菅首相について思うことはありますか。
仕事のできない一番ヒマな男が次の総理大臣になったんじゃないか。(政権は)食事のときによくかんで食べれば長続きするかもしれない。しかし、急いで食べて、自分の食べることを急ぎすぎた場合は、また短い。
-- 80歳を超えてからのツイッターデビューでしたね。
ツイッターは金がかからない。大事なことは変革であって、新しいものに若い者が寄ってきたということだ。最初、年寄りは寄ってこなかった。私だけだった。どっかが私、違うんじゃないかな、ほかの人と。私自身のものの考え方が。他の人と同じ道を歩けないようにできてるんじゃないかな(笑)。
-- 本書には、ツイッターと政治の関係がつづられています。今後、政治はツイッターによって変わっていくと思いますか。
そういうことはオバマ(米大統領)に聞いた方がいい。ツイッターはフラットな世界で、上も下もない。ただし、地球上では常に前を走る人間がいれば追いかける人間がいる、そこが面白い。いま、ツイッターは商業化してしまった。私はそろそろやめて「次」を探しに行こうと思う。
-- 目前に参院選が迫っています。今後、政界に戻る考えはありますか。
参院は任期が長いが、議決権の行使が明確ではない。衆院は小選挙区になって役人からの天下りばかり。例えば東大を出て役人として国の金で勉強して政治家になる。実態は、小選挙区は天下りなんです。私は苦労してきたが、一生懸命生きている人の生活権を守るためにどう国家財政を使うか、予算をとるか、権力のある人間に負けないように勉強してきたつもりです。
-- 本書では、メディアに対する言及も散見されます。ツイッターやブログなど、インターネットに押され気味の活字メディアに、未来はあると思いますか。
愚かな質問です。例えば、新聞は人が作ったもの。なぜならそれが便利だから。私は母の考えで7歳から新聞配達をした。新聞がなければ小学校を卒業できなかった。では、ツイッターで何ができるか? 地球の回転が速くなるのか? 世界には1日1ドルで暮らす人がたくさんいる。彼らに対して何ができるか。私の国は絶対に戦争をしてはいけない国です。誰かが戦争を仕掛けた時はあたたかい心で我々を守ってくださいと。それができるか? そういうことが大事なんです。
--「ハマコー だう!」は売れますか。
全然売れないと思う(笑)。表紙の色が悪い。
--読者に一言お願いします。
お金に余裕のある人は買ってください。ゆっくりていねいに読めば時代はあなたとともに急速に伸びていきます。大事に本を読んでください。
プロフィル
はまだ・こういち
政治活動家。1928年9月生まれ。旧制木更津中学校卒業。69年衆議院議員初当選。93年政界引退まで通算当選7回。著書「日本をダメにした九人の政治家」(95年・講談社)は160万部のベストセラーに。今年1月ツイッター開始。現在フォロワー数、約17万人。ツイッターのアカウントは@555hamako
2010年7月8日