警察官に囲まれながら京都朝鮮第一初級学校までデモ行進する在特会のメンバーら=3月28日午後、京都市南区
在特会会長の自宅に家宅捜索に訪れた京都府警の捜査員ら=10日午前7時20分ごろ、東京都江戸川区
京都南署に入る西村斉(容疑者)=10日午前8時50分、京都市南区
京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)の前で「日本から出て行け」と拡声機で叫んで授業を妨害するなどしたとして、京都府警は10日、威力業務妨害容疑などで「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の幹部ら4人を逮捕した。本部を置く東京の会長宅なども家宅捜索した。
府警によると、逮捕されたのは在特会副会長で電気工事業の川東大了(かわひがし・だいりょう)容疑者=大阪府枚方市=、在特会京都支部運営担当でマンション管理人の西村斉(ひとし)容疑者=京都市右京区=ら30〜40代の男性4人。
4人は他の在特会メンバーらとともに昨年12月4日昼、同校周辺で1時間近くにわたり、拡声機で「北朝鮮のスパイ養成所」「日本から出て行け。スパイの子ども」などと怒鳴って授業を妨害し、同校の名誉を傷つけた疑いがある。隣接する児童公園で、同校が管理するスピーカーのコードを切断したとする器物損壊容疑も持たれている。学校側が昨年12月に告訴した。
在特会は、市が管理する児童公園を学校が運動場代わりにし、スピーカーやサッカーゴールを無断で設置していた点をただそうとしたと主張。川東容疑者は逮捕前、朝日新聞の取材に「違法な設置物を撤去したうえで話し合おうとしたが、学校側に拒否されたので抗議しただけだ」と説明していた。
府警は、大勢のメンバーが押しかけて、ののしりの言葉を大音量で繰り返し、子どもたちを不安に陥れた点を重視。授業ができなくなる事態に追い込んだ結果は見過ごせないと判断した。
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京都朝鮮第一初級学校には、在日朝鮮人の小学生ら約100人が通う。
学校関係者によると、在特会による最初の街宣活動があったのは昨年12月4日。拡声機から大音量の叫びが発せられる間、子どもたちは教室で泣き続けていた。ある女子児童は帰宅後、親に「もう学校に行きたくない」と訴えたという。約1カ月後に再び街宣があった際、学校側は課外授業を実施し、児童を校外へ避難させた。