【北京・成沢健一】中国で山東省の大手乳製品メーカーの粉ミルクを飲んだ赤ちゃんに胸が膨らみ始め、女性ホルモンが成人並みの数値を示す事例が相次いで報告されている。乳が出るよう乳牛に注射したホルモンが粉ミルクに残留していた可能性が指摘されている。
9日付の中国紙「第一財経日報」などによると、湖北省武漢市の生後4~15カ月の女児3人に乳房の膨らみと女性ホルモンの異常が確認されたほか、江西、山東、広東の各省でも1人ずつ同様の症状の乳児が見つかった。広東省の事例は生後3カ月の男児だった。
メーカーは「ホルモンは添加していない」との声明を発表したと同紙は伝えている。中国では08年に乳製品へのメラミン混入で乳幼児約30万人に健康被害が出た。
毎日新聞 2010年8月10日 東京朝刊