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【大リーグ】松井 今オフ退団へ エンゼルスに契約延長の意思なし2010年8月10日 紙面から
【アナハイム阿部太郎】松井、退団へ−。エンゼルスが来季以降、松井秀喜外野手と契約延長をしないことが8日、確実となった。昨オフ、ア・リーグ西地区4連覇へ向け三顧の礼をもって迎えられた松井だが、打率2割4分台に低迷する打撃不振とともに、球団側は年齢的な衰えも顕著と判断。8日のタイガース戦も先発落ちし、残り試合も出番が激減するのは必至となった。松井は来季以降もメジャーでのプレー続行を希望しているが大幅な年俸減、レギュラーの保証なし、という過酷な条件を余儀なくされる。 松井に突きつけられた現実は酷だった。これまでは相手先発が左腕の際にベンチを温めたが、ついにこの日は右投手で屈辱の先発落ち。主砲のハンターが出場停止処分にもかかわらず、スタメン表には「マツイ」の名が消えていた。 球場入りしてメンバー表を確認した松井も、ショックを隠しきれなかったのだろう。報道陣を避けるように食堂にこもり、覇気のない表情でテレビ画面を見つめるしかなかった。「ほかの選手も使いたいでしょうし。監督が使いたくなるような結果を出すしかないですね。それ以外ない」。松井は必死に声を振り絞ったが、今オフのエンゼルス退団はもはや避けられない状況だ。 「このまま2割6分だとは思っていない」。リギンズGMは球宴前、本紙の取材にそう話したが、8日現在、打率2割4分4厘、14本塁打、55打点と低迷。優勝請負人として鳴り物入りで移籍した男にとって、この数字で契約延長が許されるほど甘い世界ではない。 しかも、チーム状況が最悪だった7月に松井は絶不調。地区首位レンジャーズに差を広げられる要因となり印象は悪い。地元メディアの間でも「松井の来季はボルティモアかカンザスシティーか?」とオリオールズ、ロイヤルズの“弱小球団”入りがささやかれるなど、もはやエ軍残留の道は閉ざされたといっても過言ではない。 ソーシア監督は「まだ優勝をあきらめていない」と言いつつも、すでにチームも来季以降の松井抜きを想定したチーム構成に着手。外野布陣は若手のボージャス、ハンター、アブレイユを固定、DHには絶好調のリベラが控えており、松井の出番が激減するのは必至だ。いずれにせよ、メジャー8年目にして野球人生最大の窮地。少ない出番の中でも松井が結果を残さない限り、来季はメジャーでの居場所すら怪しくなる。
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