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高速千円で明暗 宇高航路26%減、瀬戸大橋は37%増

2010年8月1日

 岡山・宇野港―高松港を結ぶ宇高航路の2009年度の輸送人員が前年度より26%減少し、瀬戸大橋開通の翌年度(1989年度)以降、最大の下げ幅を記録した。四国運輸局のまとめでわかった。JR瀬戸大橋線の利用も9.1%減った。一方で瀬戸大橋の利用台数は37%の大幅な伸びを記録。「高速利用1千円」の影響による「明暗」が改めて浮き彫りになっている。

 同局による四国の旅客と貨物輸送の動きのまとめによると、フェリー・旅客船の輸送人員は、宇高航路が前年度比26%減の88万7273人だった。高松―神戸の「ジャンボフェリー」も16万5828人で28.3%減った。このほか、愛媛県内―神戸・大阪を結ぶ航路が30万6233人(同24.4%減)、愛媛県内―広島県内を結ぶ航路が85万2554人(同31.6%減)だった。徳島―和歌山の「南海フェリー」は徳島県などの支援により値下げを実施した影響で前年度より2.5%増えて50万9907人だった。

 貨物輸送では、宇高航路は32万5060台で前年度比36.1%減、ジャンボフェリーは6万5631台で同12.5%減。愛媛―広島のフェリーは5万559台で同48.4%減と大きく下回った。

 また、鉄道ではJR瀬戸大橋線の利用が前年度比9.1%減の約727万4千人。コンテナ輸送は同7.1%減の47万9950トン。バスでは京阪神方面行きや関東方面行きの高速バスが四国4県とも前年度実績を下回った。タクシーの利用も減り、特に香川では前年度より10.6%減った。

 一方、瀬戸大橋の通行は大幅に増加した。特に普通車は479万6100台で前年度比52.5%増だった。高松道、徳島道、松山道、高知道の1キロメートルあたりの交通量合計も前年度を100万台近く上回る計589万3635台で、前年度比18.5%増だった。

 四国運輸局は「航路は景気後退で減少傾向だったところに高速道路の割引が影響した。新型インフルエンザも減少に拍車をかけたようだ」とみている。(林亜季)

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