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朝日新聞、読売新聞の報道について (3)

公式見解の準備も整ってきたようです。

予告した、「医療ネグレクト」の文章を書きかけていますが、
それを完成させる前に、今日は新聞社の取材について、
少し書きたいと思います。


さる7月9日の読売新聞のスクープを受けて、
日本ホメオパシー振興会は、
すぐに見解を発表しました。

http://nihon-homeopathy.net/semi-info/comment_2010_07_09.htm

見解を発表してすぐに、
読売新聞の科学部の片山圭子記者の取材申し込みがあり、
私と天井周講師、原田和道講師が
3時間近くにわたって取材を受けました。


取材の主旨として、
今回のVK2の事件についての当振興会の見解、
ホメオパシーの科学性、
ホメオパシーと現代医療との関係性、
安全性の高いホメオパシーセルフケアの仕方、
などについて意見を聞きたい、
ということでした。


片山圭子記者は、今思い返しても、
なかなか優れた記者でした。
最初は型どおりの表面的な質問があり、、
固定観念に囚われているのかな、という印象があったのですが、
説明を何度か繰り返すうち、
次第に私どもの話をそのまま理解されるようになりました。
「賛同」しているかどうかは別として・・・

そこには、
まず相手を理解する、という
当たり前ではありますが、
きちんとした姿勢がありました。

お話をするうちに、
次第に私たちも「乗って」きました。

科学部の方だけに、
従来の「狭義の科学的手法」からものごとを見る、
という習慣が身についていますが、
片山記者が優秀なのは、
そこだけにしがみつかず、
広く柔軟に考えてみる、
というジャーナリストの基本的姿勢が
非常に感じられたことです。

ホメオパシーに反対、または賛成の記事を書いてやろう、
という狭い視点ではなく、
もっと広くものごとを見てみよう、
本当に医療はどうあれば良いのか、
という柔軟性があったのです。

これは、当たり前のようですが、
実際にはなかなか得がたい資質です。

ですので、自然に
ホメオパシーや科学についての、
かなり突っ込んだ話になりました。
お話しするのが、次第に楽しくなりました。

天井講師は医師、原田講師は薬剤師でありますが、
彼らも熱心に、なぜホメオパシーを始めたのか、
ということを皮切りに、
説得力のある、素晴らしい話をしてくれました。


ただ、結果として読売新聞の記事は、
紙面の都合もあり、
ホメオパシーの是非にはほとんど踏み込まず、
インタビューの記事も掲載されず、
医療従事者たる助産師の
モラルに触れただけの記事に留まりました。

その後片山記者に尋ねますと、
実は私共とのインタビューの内容を
かなりのスペースを割いて原稿にしていただいたようですが、
私がVK2のことについて話したことが、
なんと「世間一般の常識と一致するので、載せる必要がない!」
という理由で、削られたそうです・・・嗚呼

よく言われるように、
非常識に思えるような話でないと、
載せる意味がない、ということですね。
「犬が人を噛んでも記事にはならないが、
人が犬を噛むと記事になる」
という言葉は聞かれたことがあると思います。

もっとも、それは批判対象が
非常識なことを言った場合に、
「待ってました!」とばかり、
そこだけ誇張して記事にする、
ということであり、
それと対照させたい「まともな側」の言った
「無難でまとも」な内容は、
出来るだけ、より正当に聞こえるように化粧して載せる」
ということでもありましょう。


それはともかく、読売新聞の続報では、
今回のホメオパシー自体の是非について
踏み込むまでの記事にはならなかったので、
その時の多くの話は、
記事としては、
流れてしまいました。

それでも、
片山記者とはお話できて
本当に良かった、と思います。
結論はともかくとして、
まずは理解しようとする正しい態度がありました。
それは、とても気持ちの良いことでありましたし、
きっと日本や世界をより良い方向に導く
大きな原動力となってゆくのだと
確信しています。


つづく

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2010年08月08日 19:38に投稿されたエントリーのページです。

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