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Vol.65

【視聴率リテラシー】「その他視聴」が増えるわけ

GALAC 2010年9月号掲載) 2010年8月10日(火)配信

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HUTを低下させる元凶

「視聴者離れ」といわれるゆえんに、地上波番組を見ていても、それが実放送ではなく、「再生視聴」である場合、視聴にカウントされないことも挙げられる。地デジへの移行がPRされる中、DVDやブルーレイ内蔵型テレビの売れ行きが活発で、「録画」「再生」が極めて容易にできるようになった。そのため前日録画しておいた番組を、翌日、自分の見たい時に再生で視聴する行動が増えたのである。ところがこの「タイムシフト・ビューイング」は、視聴率にカウントされない。テレビ視聴率の測定の「定義」を(1)自宅内の、(2)据え置き型テレビの、(3)実放送の視聴をもって「視聴」としているためで、友人宅や職場、その他自宅以外の場所での視聴や録画した番組の再生は視聴率に含まないことになっているのである。したがってこのような状況下ではたとえテレビが見られていたとしても視聴とみなされないため、HUTは低下するのである。

テレビ視聴の「定義」によってカウントされない視聴が生じ、そのためにHUTが低くなっていることで、「その他視聴」の割合が増幅し、“近頃やけに「その他視聴」が多くなったなぁ……”と感じるのではないだろうか?

ふじひら・よしのり 1941年生まれ。著書に『視聴率96・97・98』(大空社)、『視聴率の謎にせまる』(ニュートンプレス社)、『視聴率の正しい使い方』(朝日新書)などがある。

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