出産後の母親のうつ病「産後うつ」についてのシンポジウムが東京で開かれ、予防や克服には夫の協力が欠かせないという意見が相次ぎました。
このシンポジウムは、父親の育児支援をしているNPOが開いたもので、子育て中の親などおよそ200人が参加しました。この中では、産科の医師が「産後うつは、出産した母親の10人に1人がなるとされ、悪化させないためには、身近にいる夫の支援が重要だ」と話しました。また産後うつになった女性は「育児や家事について、夫婦でよく話し合い、夫の協力で克服することができた」と体験談を語りました。このほか妻が産後うつになった男性は「最初は単なる疲れだと思って深刻さに気づかなかった。ベビーシッターなど外部のサポートも活用したが、家族の時間を持つことが何よりも重要だ」と話しました。参加した父親は「産後うつは身近なものだとわかった。病気について知ることは予防にもなるし、夫婦でよく話し合いたい」と話していました。主催したNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也代表は「夫は仕事が忙しく、妻が育児で孤立することが、産後うつにつながると思う。多くの人に知ってもらうよう、情報を発信するほか相談できるネットワークを作りたい」と話していました。