自宅で生後1カ月の長男を殴って死亡させ、双子の弟にもけがを負わせたとして、傷害致死罪などに問われた津山市一色、無職小林真実被告(29)の裁判員裁判第3回公判が15日、岡山地裁(高山光明裁判長)で開かれ、検察側は「子どもの命を守るべき母親の犯行で責任は重い」として懲役5年を求刑した。
弁護側は「育児疲れで精神的に追い詰められた。(8カ月間拘置されるなど)制裁も受けており、服役させるべきではない」と執行猶予判決を求めた。16日午後に判決を言い渡す。
被告人質問では、裁判員4人が事件当時の生活状況などを聞いた。周囲を頼れないとされる小林被告の性格について、女性裁判員が「原因は何か」と質問。小林被告は「学生のとき友達に裏切られ、人を信じられなくなった」と答えた。
別の女性裁判員は、小林被告がこづかい以上の金をギャンブルに使ったと明かした点などにふれ、「自分を変えるため、何でも話すという意識に基づいた告白か」とただした。小林被告は「はい。すべて話しておこうと思った」と述べた。
検察側は論告で「被告のために考慮できる事情はあるが、結果は重大。双子の無念を酌むべき」と強調した。
最終弁論で弁護側は「母親が長期間服役したら、幼い娘2人の成長にどんな影響が及ぶのか。この点をよく考えてほしい」と裁判員に語りかけた。