「J1、神戸1‐0浦和」(8日、ホムスタ)
神戸はホームで浦和を1‐0で下し、13位に浮上した。後半7分、途中出場のMF三原雅俊(22)がプロ入り初ゴールを決めて先制。前半に退場者を出し1人少ない状況だったが、最後まで集中力を切らさず連敗を2で止めた。新本拠地キンチョウスタジアムのこけら落としに臨んだC大阪は、川崎と対戦し、0‐0で引き分けた。名古屋は終了間際にDF闘莉王が頭で決勝ゴールを決め、2位に順位を上げて前半戦をターンした。
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思わぬ夏の収穫に、深紅のスタンドが沸いた。後半7分、右からのパスをゴール手前で受けた神戸の日本代表FW大久保が粘る。DFに阻まれ、倒れ込みながらも執念で出したパスを、猛然と駆け込んだMF三原が右足で豪快に蹴りこんだ。
前半44分にDF茂木がこの日2枚目の警告で退場。1人少ない劣勢の中で決めた価値ある先制弾に、「何となく来るかなと思ったら本当に来た。ラッキーだった」と笑顔をはじけさせた。ヒーローのプロ入り初ゴールで勢いに乗ると、チーム一丸で“虎の子”の1点を守り通した。
熊本の実家が営む『三原農園』からは旬の野菜が選手寮に差し入れされ、若手を胃袋から支えている。両親の真心に「プロで試合に出られない時も親だけは応援してくれた。野菜は力になってる」と感謝を口にする。
途中交代の大久保からキャプテンマークを引き継ぐなど、最後まで主役を張った九州男児。お立ち台では「まだ早いと思うけど…。責任持ってやりますっ!」と声を高ぶらせた。そんな後輩に、主将も「よく走ってたし、責任持ってやってもらわんと」と苦笑いで今後に期待を寄せた。
昨季は志願の期限付き移籍。武者修行でたくましさを増した22歳は「今日はゴール以外のミスが多かった。もっとレベルアップしたい」と気合を込めた。次節・湘南戦(14日・ホームズ)での今季初連勝へ、この勢いを消してはならない。