2008年12月22日

伊藤みどり Midori Ito 1988 カルガリー五輪 LP (ABC)



Technical Merit
SUI:5.9 USA:5.8 GBR:5.9 JPN:5.9 GDR:5.9 FRG:5.9 URS:5.8 CAN:5.9 TCH:5.9
Presentation
SUI:5.6 USA:5.5 GBR:5.6 JPN:5.7 GDR:5.6 FRG:5.7 URS:5.6 CAN:5.6 TCH:5.7

実況: Jim McKay
解説: Dick Button, Peggy Fleming

ジム:...完全に観る者を楽しませる演技をショートプログラムでは見せてくれました。その演技を今夜も期待してしまいます。

ディック:そして彼女の笑顔をご覧ください。数分前は笑顔でした。覚えていて下さい。このプログラムの冒頭はゆっくりと始まりますが、その後は延々と展開し、全く止まることがありません。

ペギー:美しい姿勢のレイ・バックです。良いスピードですね。
このプログラムはここから始まり、組み立てられて行きます。
WOW

ジム:Whooow

ディック:ジャンプの高さをご覧ください。

ジム:最も高いジャンプなんじゃないでしょうか。

ディック:ご覧ください。すでに彼女の顔には笑顔が見えます。なんて可愛いんでしょう。

ディック:(?)

ディック:ジム、このプログラムは運動技術の勝利ですね。

ジム:身長、5フィート(152cm)、体重、98ポンド(44kg)。才能に満ちています。

ディック:フィギュアスケートはスポーツかアートか。これから論争されることになるでしょうが、このプログラムに関しては、運動競技の勝利です。

ペギー:彼女には観客を魅了するとても素晴らしいカリスマがありますよね。彼女はただ氷上のひと時ひと時を楽しんでいるようです。

ディック、ペギー:(笑)

ジム:もしコンパルソリーを国際試合から廃止すると言う運動が成功すれば、彼女の順位は飛躍的に上がるでしょうね。コンパルソリーの演技を終えて、彼女は総合で8位、ショートプログラムのみの順位で言えば、彼女は実は4位なんですね。

ディック:ジム、私達はこのプログラムを運動競技として認識しなければなりません。まず初めに審査されるものは運動技術です。これはスポーツなんですね。
この動作をご覧ください。フライング・シット・スピンです。この大会では他の誰もプログラムに取り入れていません。

ペギー:彼女はこのプログラムで全くミスを犯していません。立派な演技です。

ディック、ペギー:(笑)

ペギー:彼女はエキサイトしてますね。

ディック:このスピンをご覧ください!

ジム:この歓声をお聞きください!

ペギー:観客は既に立ち上がっています。

ジム:この歓声をお聞きください。

ジム:AAW

ジム:誇らしげに国旗を振っています。

ディック:氷上をご覧下さい。彼女は只々すばらしい!

ジム:彼女の前にひざまずく思いです。

ペギー:観客の皆さんは最も最後列まで総立ちです。素晴らしいですね。

ジム:彼女はまだ18歳です。4年後はフランスのアルベールビル五輪です。

ディック:これをご覧ください。トリプルルッツです。この高さをご覧ください。このジャンプの高さをご覧ください。右足はまっすぐ伸び、左足は右足を包みこみ、ほどかれます。そして愉快な口元。ご覧ください。彼女は着氷に成功したことに気づいています。

ペギー:(笑)

ディック:(笑)この笑顔です。最高でした。最高に楽しかったです。

ジム:他の5名の上位選手のうち、4名がこれから滑ります。
彼女の得点の上にある程度ゆとりを持たせなければいけません。

ペギー:Oh, My God!

ジム:技術点をご覧ください!もうしばらくで画面に出ると思います。
ご覧ください!

ディック:出ましたね。

ジム:見て下さい。ビット選手、トーマス選手、トレナリー選手、エリザベス・マンリー選手がまだ残っているのですが、5.8、5.9が出ました。この得点は彼女の実力以上のものだと思います。仏教寺院で願いをかけました。

ディック:私達は理解しなくてはなりません。今にちのフィギュアスケートでまず第一に審査されることはスピードとパワーです。この少女はそれを十分過ぎるほど持っています。

ジム:ディックが先述したように芸術点は少々下がります。運動競技のプログラムとして、5.5、5.7は全く悪い得点ではありません。

ディック:現在の彼女に比べ、遥かに芸術的で創造的な選手になる可能性を彼女は持っています。時間の問題だと思いますよ。

ジム:ウサギのように小さく跳ねています。

ディック:(笑)

ジム:最終グループがウォームアップのためにリンクに現れました。
(意訳、誤訳ご容赦ください)


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追記1
何度見ても素晴らしい演技、解説ですね。
これより大きな歓声は、未だに聞いたことがありません。
最後のスピンに入る前のガッツポーズは本当に爽快ですね。

ディックの惜しみない賞賛と、みどり選手の将来に対する期待。
ペギーさんの温かみのある解説と笑い声。
最高のコンビだと思います。

色々なところでこの動画の訳を見たことがあるんですが、どうしても自分で翻訳してみたくて挑戦してみました。

カルガリーオリンピックの伊藤みどり選手の活躍については、下記のサイトが詳しくてオススメです。
http://www009.upp.so-net.ne.jp/amateur_sport/memory_data/s08_figure_15.htm
posted by Tabby at 00:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 伊藤みどり, Midori ITO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ああ、私はこの映像が本当に大好きです!
英語がわからないながらも、解説の方たちが
心からみどりちゃんの演技を楽しみ、賞賛していると感じていました。
こちらの訳でまた改めて思いを新たにし、感動いたしました。

彼女は本当にすばらしい選手だったと思います。
みどりちゃん(あつかましくも勝手にそう呼んでいるのですが)は
見る人の胸を打つ演技を、さわやかに繰り広げることができました。
すばらしいアスリートです、天晴れです。
いつ見ても胸がすく映像です。

目頭がまた熱くなりました。
何度見てもすばらしいですよね!
この映像を取り上げ、訳してくださったことに心から感謝いたします。
Posted by さんしょ at 2008年12月22日 16:18
>さんしょさん
感動を共有してくださってありがとうございます!
僕の周りにはあまりフィギュアスケートのことを話せる友達がいないので、さんしょさんの様に伊藤みどり選手の演技に一緒に感動して下さる方がいて本当に嬉しいです。
本当にこのカルガリーのLPは良いですよね。スケートを滑る楽しさが感じられて、ジャンプの爽快感がまた興奮ものですよね。
この演技を見ると2005年の浅田真央選手のグランプリファイナルを思い出してしまいます。
大きな競技会に出場できる喜びに溢れていた時代。そしてこれから色々な問題やプレッシャーと戦って行くんですよね。
僕もこの動画を見るたびに感動してしまいます。何度この演技を見て励まされたことか。
お時間のある時にまた是非いらして下さい。もうしばらく伊藤みどり選手の動画が続く予定です(笑)
これからも宜しくお願いします。
Posted by Tabby at 2008年12月23日 01:55
管理人さん、有り難うございます。
この映像を久しぶりに見て、当時の感動が蘇ってきました。

その頃は、フィギアスケートの事をあまり詳しく知らなかったので、ジャンプをうまく降りる事だけに集中して見ていた様に思います。
でも、今改めて見ると、ジャンプの高さは勿論(それにしても高いっ!!)、最初のコンビネーションスピンでの、あれだけ沢山のポジションチェンジに度肝を抜かされました。\(◎o◎)/
スパイラルへの入りかたもキレイでしたねぇ。(ウットリ・・・)
それに、全てのジャンプのタイミングが音楽とピッタリ合ってるんですね。スゴイなぁ・・・
これだけのジャンプの数をこなしながら、ステップの中や、シークエンスの合間にもピョンピョン跳んで、大小あわせていったい何回跳んでるんでしょう? もう圧巻そのものです!!

観客の賞賛ぶりも本当にすごいですね。
当時のNHKのニュースで、もっと引いたアングルで捉えた映像が流れていました。
確か、最後列の客席まで写っていて、早い人は最後のトリプルジャンプを決めた時に立ち上がって・・・そこから次々に立ち上がって・・・ダブルアクセルを降りた時にはすでに総立ち、最後のスピンは音楽が聞こえなかったのを、鮮明に憶えています。

伊藤みどり選手が凄いスケーターだと言う事は、解っていたつもりだったんですが、こうして映像を見返してみると、その凄さのほんの一部しか認識してなかったんですね。(みどりちゃん、ゴメンなさい。)

長くなりましたが、管理人さん、この映像をUPして下さって、本当に有り難うございました。
Posted by イナバウアーの白うさぎ at 2008年12月23日 15:15
>イナバウアーの白うさぎ さん
はじめまして。
僕もこの頃はジャンプだけに興奮してました。
他の女子選手の演技は早送りしてました。スミマセン(笑)

このカルガリーのお客さんはノリが良いですよね。
みどりさんに対する拍手が、自国のカート・ブラウニングさんの演技の時の拍手と、変わらないくらい大きいんですよ。
それから、そのNHKの違うアングルの映像、とても見てみたいです!

お時間のある時にまた是非いらして下さい。
これからも宜しくお願いします。
Posted by Tbby at 2008年12月24日 06:08
感動,再び〜!!…どころか、今まで何十回ビデオで見返して、その都度大興奮したことか!!
日本フィギアスケート史上歴代NO.1の名演技にして、名選手のスケータ−です!!
あまりに懐かしい映像を見てしまったので、また当時を懐かしみたいと、見過ぎでヨレヨエになってしまったビデオテープを、大事に封印してしまいこんでいたんですが、ひっぱり出して、カルガリーの女子シングルを初めから見直してしまいました〜。
今振り返ると、ほんとに不思議ですよね。何故まだ2や2Aのジャンプの単発を多くの選手が飛んでいた時代に、みどりサンみたいなジャンプの申し子が出てきてしまったんでしょうか??3−3を軽々と飛んでるし、スピードも早い早い!
当時の世界女王のカタリナ・ビットさんの芸術性に真っ向から対立する技術で、女子フィギア界に革命を起こしてしまいましたよね。しかも日本人の小柄な少女が…。
カリスマ性も持って生れ、見た人を魅了し、日本人・カナダ人・そして世界中の多くの人々に感動を与えてくれた彼女に、感謝しています。

Tbbyさんが教えてくれたサイトも読みました〜。
私もまったく彼女と同体験していたので、思い出して大笑いです!!ほんとに演技直前に中断した時の、NHKの天気とニュースが長い長い!(20分でしたよ!!)
「ヤマメなんか、どーでもいいのよ!!(←最後のニュースの川魚情報…今でもはっきりと覚えてます)早くみどりちゃんを映せ〜〜〜!!」とTVに向かって罵ってましたね〜。HaHaHa〜

年末年始の超多忙も落ち着いたので、各選手の演技を見て癒されに、また時々お邪魔しま〜す。
Posted by 松竹梅 at 2009年01月04日 16:55
>松竹梅さん
あけましておめでとうございます。
カルガリーの女子シングルを全部見直したんですか!?
うらやましい... 全選手のプログラムが揃っているなんて、かなり貴重な資料ですよね。
みどりさんは、本当に色んな意味でスゴい選手でしたよね。
SPの2Lo+3Loの地鳴りの様な大歓声、LPの3Tで観客が息を呑んでいる様子。一瞬一瞬が他のどの選手よりも輝いていたと思いました。
リンク先のサイトさん良いですよね。
ヤマメですか(笑)それはストレス溜まりそうですね。ロサンゼルスでは勘弁して欲しいです(笑)
お時間のある時にまた是非いらして下さい。
これからも宜しくお願いします。
Posted by Tabby at 2009年01月04日 22:30
説明不足でした!
録画し始めたのが第2グループ途中からだったので、そこから見直しました〜。(何故途中からなのかは記憶なし)録画した部分の最初から…という意味です。
第2グループ…シングルジャンプ!?飛んでる子がいます〜〜〜。かわいい。
第3グループ…急にレベル上がって、トリプルが主流に。そして最後にみどりサンが登場です!
第4グループ…名女優?ビット選手のカルメンに感嘆。それと、カナダのマンリー選手。明るいヒマワリみたいな笑顔が素敵です!!
やっぱり、LIVEで第1グループからじっくり観戦するのって、良いですよね〜。

挨拶遅れましたが、今年もくれぐれもご自愛しながら、ブログ頑張って下さい。
更新楽しみにしてまーす!
Posted by 松竹梅 at 2009年01月05日 01:17
第2グループ途中からでも十分スゴいですよ。
フィギュアスケートを第1グループからゆっくり見れる機会ってなかなか無いですよね。
時間もそんなに簡単に作れないですし... でも期待の選手の出番まで色んな国の選手の演技を見れるってスゴく贅沢な時間ですよね。
松竹梅さんのご説明で当時の気持ちを少し思い出せました。
久しぶりにヴィットさんのカルメンが見たくなってきました。

先月は毎日更新を達成できるかと思ったんですが、26日は二日酔いで更新出来ませんでした(笑)
今月は毎日更新を達成してみたいと思っております。
またお時間のある時に是非いらして下さい。
Posted by Tabby at 2009年01月05日 02:13
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