朝鮮王室儀軌 韓国返還で調整
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朝鮮王室儀軌 韓国返還で調整

8月9日 18時8分

菅内閣は、日本による韓国併合から100年になるのを機に10日の閣議で、過去の植民地支配に対する痛切な反省をあらためて表明する総理大臣談話を決定し、この中で植民地時代に日本に渡った朝鮮王朝時代の国家行事を記録した「朝鮮王室儀軌(ちょうせんおうしつぎき)」を韓国に返還する方針も盛り込む方向で、最終的な調整に入りました。

西暦1910年の日本による韓国併合から、今月で100年になるのを機に、菅内閣は、総理大臣談話を発表する方針で、戦後50年の1995年に当時の村山総理大臣が出した談話を踏襲し、過去の植民地支配と侵略に対し、あらためて痛切な反省と心からのおわびを表明することにしています。そのうえで、談話では、植民地時代に日本に渡り、現在は宮内庁が保管している、朝鮮王朝時代の国家行事を文書や図で記録した「朝鮮王室儀軌」を、韓国側の求めに応じて返還する方針も盛り込む方向で最終的な調整に入りました。総理大臣談話を出すかどうかをめぐっては、野党に加えて、与党内の一部からも批判が出ていたため、菅内閣は慎重に検討を進めてきました。しかし、100年という区切りの年に、過去の植民地支配に対する韓国の国民感情に配慮する姿勢を示すことは、未来志向の日韓関係を目指す外交姿勢を強調することになると判断し、総理大臣談話を10日の閣議で決定することにしたものです。