2010年7月5日 10時56分 更新:7月5日 11時18分
小惑星からの岩石採取に挑戦し、地球へ帰還した探査機はやぶさのカプセル内に、少量の微粒子が入っていることが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の分析で明らかになった。小惑星の物質であれば人類初の快挙だが、地球で混入した微粒子の可能性もあり、JAXAは今後、慎重に調べる。
はやぶさは先月13日、地球へ帰還し、切り離したカプセルはオーストラリアに着地、回収された。日本へ運ばれたカプセルは順に分解され、先月下旬以降、小惑星の試料が入っている可能性のある容器の開封作業を進めていた。
はやぶさは05年11月、小惑星イトカワに着陸した。試料採取装置がうまく働かなかった一方、イトカワは重力がほとんどないため、着陸の衝撃で表面の物質が舞い上がったかもしれないとみられている。JAXAはこれまで、「地球から往復した物質があるのは確実」と説明しており、地球でのカプセル製造過程や打ち上げの際に何らかの物質が混入した可能性を否定していない。JAXAは今後の分析方法などを検討している。【永山悦子】