2010年7月5日 2時30分
裁判員経験者と裁判員制度の検証に取り組む弁護士や市民団体のメンバーが4日、東京都内で会合を開き、経験者らが交流する組織「裁判員等市民ネットワーク」(仮称)を設立することを決めた。当面は東京、名古屋、大阪に拠点を置き、裁判員の経験を市民と共有するための行事などを企画する。裁判員経験者の本格的な交流組織の設立は初めて。
会合には裁判員経験者4人が参加。水戸地裁で裁判員を務めた茨城県稲敷市のしんきゅう師、高須巌さん(55)は「守秘義務があり経験をしゃべりにくい。語り合う場があるとありがたい」と交流組織設立に賛同した。東京地裁で性犯罪事件を担当した女性会社員(32)も「判決後に不安に感じたことを話す機会があるとストレスを軽くできる」と語った。
中心メンバーで、日本弁護士連合会裁判員本部委員の牧野茂弁護士は「活動を通じて制度をより良いものにしていきたい」と話し、裁判員経験者の参加を募っている。問い合わせはフェアネス法律事務所(03・3500・5330)。【伊藤直孝、長野宏美】