これは、ひどい。
高齢者の安否確認に「答えたくない」…拒否相次ぐ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)東京都足立区や杉並区で都内最高齢者とされる男女の所在不明などが発覚したことをきっかけに、各自治体が100歳以上のお年寄りの安否確認に追われている。
何が書かれているかではなく、何が書かれていないか、が。
杉並「113歳」に遺族扶助料…都が50年支給 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
東京都内で最高齢とされる杉並区の古谷ふささん(113歳)が所在不明となっている問題で、都が先月まで50年間にわたり、古谷さんに対して「遺族扶助料」と呼ばれる手当を支払っていたことがわかった。非実在高齢者問題 - 「で、みちアキはどうするの?」
はあああ?って感じです。おめえいいかげんにしろよと。今年の東京都の遺族扶助料の平均額は125万円だそうです。このケースでの50年分の合計額は数千万円になるらしい。なーんだかなー。2年に1度調査票を記入しないと支払われず、昨年3月の調査ではちゃんと記入され返送されてきたそうですから、こりゃ完全真っ黒ですね。
つまりそういうことである。読賣新聞の記事に現状をきちんと把握していない行政を責めるトーンはあっても、情報を偽造した者を責めるトーンはない。
若い世代は、怒っていいですよね。ただでさえ不公平感の大きい国民年金の保険料を、非実在高齢者の分まで支払っていたなんて。100歳以上を調査とか意味不明なことをせず、年金を受け取っている人の全数を調査するべきでしょう。「接触できなからいるかどうかわからない」とかいう馬鹿な言い訳はやめて欲しい。接触できないなら「いない」んですよ。いる人に、払う。いない人には、払わない。当たり前ですよね?
大いに憤るべきである。が、それくらいで溜飲を下げては駄目なのである。
社会保険庁:社会保険統計情報の社会保険事業の概況:平成19年度版(PDF)によると、公的年金の支給総額は約41兆円。総受給者数は3,480万人。受給者一人に約118万円が支給されていることになる。
一方、労働力人口は統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データによると、2009年12月現在で6,587万。これを先ほどの数字で割ると、約62万円という数字が出てくる。毎月5万円。サラリーマンのこづかいより多いのだ。
そしてこの状態は今後ますますひどくなっていく。
これで景気がよくなるなんて、増税して経済成長というシナリオよりありえない。
この問題に関して、「年金は本当にもらえるのか?」と「デフレの正体」は必読書である。両書を読んだ上での私の結論は、「もう高齢者を保護すべき弱者であるとするのはやめよ」ということである。これは今の高齢者に対する言葉であると同時に、これから高齢者になる、私を含めた現役世代に対する言葉でもある。
ついでに最低賃金より高収入な生活保護も廃止し、そろそろ社会保障はベーシック・インカムに統一すべきだいう考えをますます強くしているのであるが、読者はいかがだろうか?
Dan the One of (Still) Younger Half of Japan
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