2010年6月11日 21時5分 更新:6月11日 23時19分
【ヨハネスブルク(南アフリカ)江連能弘、高尾具成】4年に1度開かれるサッカーの祭典、第19回ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会が11日、開幕した。アフリカ大陸初のW杯は7月11日(日本時間同12日)の決勝まで、9都市10会場で計64試合が行われる。開幕戦は当地のサッカーシティー競技場で、1次リーグA組の地元南アフリカとメキシコが対戦した。
試合に先立って開幕式典が同競技場で行われた。ノーベル平和賞受賞者でW杯招致にも尽力し、式典出席が期待されたネルソン・マンデラ元南ア大統領(91)は、11日未明にひ孫が交通事故死したことを理由に欠席した。開幕戦前には南アのズマ大統領が開会を宣言した。
アパルトヘイト(人種隔離)政策を撤廃し、94年に全人種参加の民主化選挙を実施後、翌95年にはラグビーW杯を成功させた南アでの開催。国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長は「アフリカで初めて開かれるW杯はスポーツのみならず、人類の歴史にとって大きな一ページ」と強調する。一方で、南アは高い失業率や人種間の経済格差が大きく、1日に約50件の殺人事件が起きるなど治安面などの課題が山積。治安・警備強化へ4万人以上の警察官をW杯に専従させるなどの対応がとられている。
大会には32チームが出場。8組に分かれて1次リーグを行い、各組上位2チームが26日からの決勝トーナメントに進む。アフリカ勢は過去最多の6チームが出場する。4大会連続4回目出場の日本はE組で、14日にカメルーン、19日にオランダ、24日(日本時間25日)にデンマークと対戦する。