野球:問題山積のドーム球場建設(下)

■暗礁に乗り上げた安山ドーム

 当初の予定では先月から工事が開始されることになっていた安山ドーム球場は、市長が交代したことで、予定が完全に狂ってしまった。新任のキム・チョルミン市長は、ドーム球場の収益性を検討した上で、事業を再開するかどうかを決める、との立場だ。安山市の関係者は、「ドーム球場を建設するとなれば、莫大(ばくだい)な規模の運営・管理費が必要になるが、これを野球場の観戦収入だけで補うのは到底不可能だ。その上、プロチームが安山に来てくれるという保障もない」と否定的な考えを示した。

 昨年12月、優先交渉事業者として選ばれた現代建設は、初期費用としてすでに200億ウォン(約14億5000万円)を支払っている。安山市のキム・ハクミン課長は、「これを白紙化した場合、事業者側との法的問題に突入するだろう。建設計画を完全に水に流すか、あるいは今後も進めていくかは未定」と話した。

■工期が問題の高尺洞ドーム

 ソウル市九老区高尺洞に建設予定のドーム球場は、現在工事が15%ほど進んでいる段階だ。ところが、当初の計画だった2万人分の観客席を2万2258席へと増やし、屋根を半分だけ覆うハーフドームから全面ドームへと設計を変更したことで、工期が延長し、さらに多くの費用が必要となった。

 ソウル市体育振興課のイ・サンオク担当官は、「(当初2011年末までに完工の予定だったが)長く見て、12年12月までには工事が終わる見込みだ。完工後は、ひとまずアマチュア野球場として使用する予定だ」と話した。

 これに対し、大韓野球協会側は「12年8月に行われる世界青少年野球選手権大会のソウルでの開催をすでに誘致した。それまでに完成しなければ困る」と、工期の短縮を要求している。

■具体性に欠ける大邱

 大邱市は昨年10月、ポスコとドーム球場建設のための了解覚書(MOU)を締結した。続いて今年2月には、ポスコ側が事業提案書を提出したものの、建設予定地に共同住宅が密集していることを理由に、大邱市側が突然見直しを要求、現時点では何も進んでいない状況だ。

 大邱市体育振興課のイム・ドンヒョン事務官は、「ポスコ以外の業者からも提案書が寄せられる見通しだ。8月には最終案を出す」と、あくまで建設には前向きな姿勢だ。しかし、今のところ決まっているのは、大邱ワールドカップ競技場の隣にドーム球場を建設するという計画のみだ。

高錫泰(コ・ソクテ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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