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民主ヒヤリ まさかの大激戦の末辛勝…長野県知事選

8月9日8時1分配信 スポーツ報知

 任期満了に伴う長野県知事選は8日投開票が行われ、無所属新人の阿部守一氏(49)=民主、社民、国民新推薦=が、自民党が全面支援する腰原愛正氏(よしまさ、63)と、共産党県委員会が支援する元安曇野ちひろ美術館長・松本猛氏(59)の無所属新人2人を破り、初当選を果たした。民主党は、大敗した参院選後初めての大型地方選挙。反転攻勢のきっかけにしようと、幹部や閣僚を次々に投入しただけに、面目を保った格好だ。

 もつれにもつれた戦いを制したのは、民主党などの推薦を受けた阿部氏だった。序盤に腰原氏のリードも伝えられる大接戦で、NHKが当確を報じたのは午後10時41分。票差はわずか5021票。JR長野駅前のホテルで、阿部氏は万歳した。

 「党再生への第一歩となる」。民主党の安住淳選対委員長(48)は、参院選大敗にひと区切りをつけ、反転攻勢のきっかけになると期待を示した。官邸サイドも、臨時国会での論戦を終えた直後だけに「国民に政権への一定の期待感がある証拠だ」(政府筋)と安堵(あんど)の表情。菅直人首相(63)は民主党幹部から当選報告を受け「よかった」と喜んでいたという。

 引退する村井仁知事(73)を支えた副知事の腰原氏に対し、阿部氏は新党日本代表の田中康夫衆院議員(54)が県知事時代の副知事。政府の行政刷新会議の事務局次長も務めた。小泉進次郎衆院議員(29)や三原じゅん子参院議員(45)を投入した自民党に負けじと、民主党も蓮舫行政刷新相(42)、枝野幸男幹事長(46)ら関係閣僚や党幹部を次々に投入する総力戦を展開。民主党政権では評価する声が多い「事業仕分け」をアピールし、党支持層をつなぎ止める戦略が奏功したと言えそうだ。

 しかし、想像を上回る大激戦。そもそも長野県は、民主党が04年以降の参院選比例代表の得票で、自民党を常に上回ってきた。全国的には大敗した今回の参院選も自民の約25万票を上回る、約40万票を獲得。選挙区でも改選数2に対し2人を擁立した結果、北沢俊美防衛相(72)が当選、新人の高島陽子氏(42)が落選したものの、2人合計50万票以上を獲得。当選した自民候補者の約29万票を大きく上回っていた。

 にもかかわらず、あまりの辛勝に、党内から上がるのは喜びの声ばかりではなかった。ある参院幹部は「参院選の総括を水に流してはいけない」と指摘。与党の面目は保ったものの、9月の代表選に向けた“党内政局”は過熱している。別のベテラン議員は「首相は勝ってかぶとの緒を締めるべきだ」と語った。続投を狙う菅首相の足元は盤石ではない。

 投票率は52・70%で、前回を13・28%下回り、同県知事選の過去最低だった1992年の54・05%を下回った。

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最終更新:8月9日8時1分

スポーツ報知

 

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