政府の事業仕分けに伴いことし4月から、国道の維持管理費が削減され、除草作業が年2、3回から1回に減らされた影響で、本島内の国道の歩道や中央分離帯では草木が生い茂り、視界を遮ったり、歩行に支障を来す場所が出ている。
ことし4月から6月までに、沖縄総合事務局に寄せられた住民からの苦情は33件で、前年同時期の8件に比べ4・1倍に増加。北部や南部の市町村長からも除草の回数を増やすよう求める声が上がっている。
南城市内の国道331号では雑草が視界を遮り、海が見えなくなっている場所があり、豊見城真玉橋付近の国道329号の歩道では、雑草が伸びて歩道が狭くなり、歩行者と自転車が擦れ違う際に危険が生じている。名護市稲嶺の国道58号、中城村伊舎堂の国道329号などでは雑草が歩道を覆い通行に支障があると、住民から同事務局へ苦情があった。
政府は厳しい財政を理由にことし4月、除草、枝切りなどに要する費用を減らすために「道路維持管理計画案」をまとめた。本年度は中央分離帯や歩道の除草については年2、3回から場所を限定して全国一律で年1回程度に減らした。高木や中低木の枝切りは年1回程度を見直し、3年に1回程度に減らしている。
苦情や要望を受け、同事務局道路管理課は場所を決めて、草木の成長具合や安全上の問題点を調査し、結果をことし11月までに、国交省へ提出する。同課は「気温の高い沖縄は草の伸びが早く、年1回では済まない。今の回数では足りないということを本省に示し、管理費の増額を求めたい」と話した。
(高江洲洋子)
(琉球新報)
2010年8月8日